2026年版・3-7

酸化還元反応と電池・腐食の一問一答

甲種危険物取扱者「物理学及び化学」から、酸化還元反応と電池・腐食に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-7

酸化と還元の定義として、正しいものはどれか。

  • ①還元は酸素と化合すること、または電子を失うことをいう
  • ②酸化は水素と化合すること、または酸素を失うことをいう
  • ③酸化と還元とは、それぞれ別々に単独で起こる反応のことである
  • ④酸化は酸素と化合すること、または水素や電子を失うことをいう
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正解 ④酸化は酸素と化合すること、または水素や電子を失うことをいう
解説
酸化は、酸素と化合する・水素を失う・電子を失う・酸化数が増加する、のいずれかで説明されます。還元はその逆です。

ポイント
酸化と還元は必ず同時に起こります。一方が酸化されれば、相手は必ず還元されています。

試験の罠
「単独で起こる」という記述は明確な誤りです。この同時性が酸化還元の本質です。

他の選択肢が不適切な理由
「還元は酸素と化合すること、または電子を失うこと」とする記述と「酸化は水素と化合すること、または酸素を失うこと」とする記述は、酸化と還元の説明をそっくり入れ替えたものです。「それぞれ別々に単独で起こる」とする記述は、電子を失うものがあれば必ずそれを受け取るものがあるという、この反応の最も本質的な性格に反します。一方だけが起こることはありません。
問23-7

酸化剤と還元剤に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①酸化剤は相手を酸化し、自身は還元される物質である
  • ②酸化剤は相手を酸化し、自身も酸化される物質である
  • ③還元剤は相手を還元し、自身も還元される物質である
  • ④酸化剤と還元剤は、物質ごとに固定されており入れ替わらない
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正解 ①酸化剤は相手を酸化し、自身は還元される物質である
解説
酸化剤は相手から電子を奪って相手を酸化し、自身は電子を受け取って還元されます。還元剤はその逆です。

ポイント
第1類と第6類は強い酸化剤、第2類は還元剤として働きます。この対応が混触危険の理解につながります。

試験の罠
過酸化水素のように、相手によって酸化剤にも還元剤にもなる物質があります。固定されているわけではありません。

他の選択肢が不適切な理由
「酸化剤は相手を酸化し自身も酸化される」とする記述は、相手から電子を奪う以上、自身は電子を受け取る側になるという関係と矛盾します。「還元剤は相手を還元し自身も還元される」とする記述も同じ理由で成り立ちません。「物質ごとに固定されており入れ替わらない」とする記述は、相手の性質によってどちら側にも働く物質が実際に存在することを見落としています。
問33-7

金属のイオン化傾向に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①イオン化傾向が大きい金属ほど酸化されにくく、化学的に安定である
  • ②イオン化傾向が大きい金属ほど酸化されやすく、腐食しやすい
  • ③イオン化傾向は、その金属の融点の高さによって決まる
  • ④すべての金属のイオン化傾向は、互いに等しくなっている
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正解 ②イオン化傾向が大きい金属ほど酸化されやすく、腐食しやすい
解説
イオン化傾向は金属が陽イオンになりやすさの序列で、大きいほど電子を放出しやすく酸化・腐食されやすくなります。

ポイント
序列はカリウム・カルシウム・ナトリウム・マグネシウム・アルミニウム・亜鉛・鉄・ニッケル・スズ・鉛・水素・銅・水銀・銀・白金・金の順です。

試験の罠
カリウム・ナトリウムは水と激しく反応して水素を発生します。第3類危険物の危険性の根拠です。

他の選択肢が不適切な理由
「イオン化傾向が大きい金属ほど酸化されにくく安定」とする記述は、陽イオンになりやすいということが電子を手放しやすいことを意味する以上、逆の結論になっています。「融点の高さによって決まる」とする記述は、熱で溶ける温度と電子の手放しやすさが別の性質である点に反します。「すべての金属のイオン化傾向は互いに等しい」とする記述は、そもそも序列を付けるという考え方そのものを否定するものです。
問43-7

地下埋設配管の腐食を防止する方法として、正しいものはどれか。

  • ①配管よりイオン化傾向の小さい金属を接続し、電気防食を行う
  • ②配管を直接土壌に接触させて、その放熱を促進する
  • ③配管よりイオン化傾向の大きい金属を接続し、電気防食を行う
  • ④配管の周囲に湿った土を盛り、その水分を保持する
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正解 ③配管よりイオン化傾向の大きい金属を接続し、電気防食を行う
解説
流電陽極法(犠牲陽極法)では、鋼管よりイオン化傾向の大きいマグネシウムや亜鉛を接続し、そちらを優先的に腐食させることで配管を守ります。

ポイント
ほかに外部電源法があり、直流電源で配管に電子を供給して腐食を抑えます。

試験の罠
湿った土壌や異種金属の接触は、かえって腐食を促進する要因です。

他の選択肢が不適切な理由
「イオン化傾向の小さい金属を接続する」とする記述は、守りたい配管の方が先に溶け出すことになり、腐食を早めてしまいます。「直接土壌に接触させて放熱を促進する」とする記述は、土に含まれる水分と塩分が腐食を進める条件そのものである点を見落としています。「周囲に湿った土を盛り水分を保持する」とする記述も、水分が腐食に欠かせない要素であることと正反対で、いずれも防食にはなりません。
問53-7

金属の腐食を促進する条件として、誤っているものはどれか。

  • ①土壌の水分が多く、通気性が不均一であること
  • ②異なる種類の金属が互いに直接接触していること
  • ③直流電気鉄道の近くなど、迷走電流が流れる場所であること
  • ④配管の表面が乾燥し、緻密な塗覆装で覆われていること
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正解 ④配管の表面が乾燥し、緻密な塗覆装で覆われていること
解説
乾燥した環境と健全な塗覆装は腐食を防ぐ条件です。腐食を促進するのは、水分・酸素・電解質の存在、異種金属の接触、迷走電流などです。

ポイント
通気性が不均一だと、酸素濃度の差によって通気差電池が形成され、局部的な腐食が進みます。

試験の罠
腐食は電気化学的な現象です。単なる化学反応ではなく、局部電池が形成される点が要点になります。

他の選択肢が不適切な理由
残る三つはいずれも腐食を促す条件です。土壌の水分が多く通気性が不均一だと、酸素の届き方に差が生じて場所ごとの電位の違いが生まれ、局部的に腐食が進みます。異なる種類の金属が接触すると、電子の移りやすい側が優先して溶け出します。直流の迷走電流が流れる場所では、電流が配管から土へ抜ける部分で金属が溶け出し、短期間で穴が開くことがあります。
問63-7

静電気に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①電気の不良導体である液体を流動させると、静電気が発生しやすい
  • ②電気の良導体である液体ほど、静電気が蓄積しやすくなる
  • ③静電気は、湿度が高い環境であるほど蓄積しやすくなる
  • ④静電気による放電火花は、可燃性蒸気の着火源になることは一切ない
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正解 ①電気の不良導体である液体を流動させると、静電気が発生しやすい
解説
ガソリンやベンゼンのような電気の不良導体は、流動や撹拌で発生した電荷が逃げにくく蓄積します。

ポイント
対策は、接地、流速の制限、湿度を高く保つこと、除電材の使用などです。

試験の罠
静電気の放電火花は数mJでも着火源として十分です。「着火源にならない」は明確な誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
「電気の良導体である液体ほど蓄積しやすい」とする記述は、電気を通しやすい液体では生じた電荷がすぐ逃げていく点で逆になっています。「湿度が高い環境であるほど蓄積しやすい」とする記述も、空気中の水分が電荷の逃げ道になるという性質と正反対で、湿度を高く保つことが実際の対策です。「放電火花が着火源になることは一切ない」とする記述は、ごくわずかなエネルギーでも蒸気に火がつく事実に反します。
問73-7

電池に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①負極では還元反応が起こり、正極では酸化反応が起こる
  • ②負極では酸化反応が起こり、正極では還元反応が起こる
  • ③電池は化学エネルギーを熱エネルギーに変換する装置である
  • ④電池の内部では酸化還元反応は起こっていない
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正解 ②負極では酸化反応が起こり、正極では還元反応が起こる
解説
電池は酸化還元反応の化学エネルギーを電気エネルギーとして取り出す装置です。負極でイオン化傾向の大きい金属が酸化され電子を放出し、正極でその電子が受け取られて還元が起こります。

ポイント
ボルタ電池では亜鉛が負極、銅が正極になります。イオン化傾向の大きい方が負極です。

試験の罠
腐食で生じる局部電池も同じ原理です。腐食するのは負極側(イオン化傾向の大きい金属)です。

他の選択肢が不適切な理由
「負極で還元、正極で酸化が起こる」とする記述は、二つの極で起こる反応を入れ替えたものです。電子を放出する側が負極になります。「化学エネルギーを熱エネルギーに変換する装置」とする記述は、取り出しているのが電気である点で誤りです。「内部では酸化還元反応は起こっていない」とする記述は、電子のやりとりがあってはじめて電流が生じるという電池の仕組みそのものを否定しています。
問83-7

酸化数に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①化合物中の水素の酸化数は、原則としてマイナス1である
  • ②化合物中の酸素の酸化数は、原則としてプラス2である
  • ③単体を構成する原子の酸化数は、どの元素でも0である
  • ④イオンの酸化数は、その電荷にかかわらず常に0である
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正解 ③単体を構成する原子の酸化数は、どの元素でも0である
解説
単体中の原子の酸化数は0と定めます。化合物中では水素が原則プラス1、酸素が原則マイナス2です。

ポイント
酸化数が増える変化が酸化、減る変化が還元です。電子の授受が見えにくい反応でも判別できます。

試験の罠
過酸化物中の酸素はマイナス1、金属水素化物中の水素はマイナス1という例外があります。

他の選択肢が不適切な理由
「水素の酸化数は原則としてマイナス1」とする記述は、符号が逆で、化合物中では原則としてプラス側の値をとります。「酸素の酸化数は原則としてプラス2」とする記述も、符号と数値の両方が実際と異なります。「イオンの酸化数は電荷にかかわらず常に0」とする記述は、0とするのが単体を構成する原子の場合であり、イオンではその電荷の値がそのまま酸化数になる点に反します。
問93-7

燃焼における酸化に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①鉄がさびる現象も、熱と光を伴うため燃焼に含まれる
  • ②燃焼は熱のみを伴い、光を発しない酸化反応である
  • ③燃焼は酸素を必要としない還元反応である
  • ④燃焼は熱と光を伴う激しい酸化反応である
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正解 ④燃焼は熱と光を伴う激しい酸化反応である
解説
燃焼は、熱と光の発生を伴う急激な酸化反応と定義されます。

ポイント
鉄がさびるのも酸化ですが、反応が緩やかで光を伴わないため燃焼には含まれません。これを緩慢な酸化といいます。

試験の罠
マグネシウムが二酸化炭素中で燃えるように、酸素の供給源が空気でない燃焼もあります。

他の選択肢が不適切な理由
「鉄がさびる現象も燃焼に含まれる」とする記述は、さびが光を伴わずゆっくり進む酸化であり、急激さと発光という条件を欠く点で誤りです。「熱のみを伴い光を発しない」とする記述は、炎が見えるという燃焼の最も分かりやすい特徴を落としています。「酸素を必要としない還元反応である」とする記述は、燃えるものが酸素と結び付いて酸化される反応であることと正反対です。
問103-7

第5類危険物が空気を遮断しても燃焼を継続できる理由として、正しいものはどれか。

  • ①分子内に酸素を含み、自ら酸素を供給できるためである
  • ②周囲の窒素を酸化剤として利用できるためである
  • ③熱を吸収することで燃焼を維持できるためである
  • ④分子内に水素を多く含み、自ら水を分解するためである
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正解 ①分子内に酸素を含み、自ら酸素を供給できるためである
解説
第5類の自己反応性物質は、分子内に酸素を含むものが多く、外部から酸素の供給がなくても自ら酸素を供給して燃焼を続けます。

ポイント
このため窒息消火が効きにくく、大量の水による冷却消火が基本になります。

試験の罠
アジ化ナトリウムのように分子内に酸素を含まない第5類もありますが、いずれも加熱や衝撃で自ら分解する自己反応性を持ちます。

他の選択肢が不適切な理由
「周囲の窒素を酸化剤として利用できる」とする記述は、窒素が反応しにくい気体であり、通常の燃焼では燃焼を助けない点に反します。「熱を吸収することで燃焼を維持できる」とする記述は、燃焼が熱を出す反応である以上、成り立ちません。「分子内に水素を多く含み自ら水を分解する」とする記述は、水を分解するにはむしろ大きなエネルギーが要る点で、燃焼が続く理由の説明になっていません。

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