2026年版・3-5

事業継続計画(BCP)と事業継続マネジメント(BCM)の一問一答

情報セキュリティマネジメント試験「情報セキュリティ管理(ISMS・リスクマネジメント)」から、事業継続計画(BCP)と事業継続マネジメント(BCM)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-5

「事業継続計画(BCP)」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①緊急事態発生時に、損害を抑えつつ中核事業を継続・復旧させる計画。
  • ②新規事業の立ち上げに際して、投資家向けに作成する事業計画書のこと。
  • ③従業員の福利厚生や休暇取得を、促進するための人事施策のこと。
  • ④情報システムの通常運用時における、日常的な保守作業手順書のこと。
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正解 ①緊急事態発生時に、損害を抑えつつ中核事業を継続・復旧させる計画。
解説
事業継続計画(BCP)とは、自然災害、システム障害、感染症の流行など緊急事態が発生した際に、事業活動への損害を最小限に抑えながら、中核となる事業を継続または早期に復旧させるための、あらかじめ定めておく計画をいう。

他の選択肢が不適切な理由
投資家向けの事業計画書は新規事業の資金調達等を目的とする文書であり、緊急時の事業継続を目的とするBCPとは異なる。従業員の福利厚生施策は人事上の取組みであり、日常運用の保守作業手順書も平常時の運用文書であって、いずれもBCPの説明とはいえない。
問23-5

「事業継続マネジメント(BCM)」と「事業継続計画(BCP)」の関係に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①BCMとBCPはまったく同じ内容を指す言葉であり、使い分ける必要はない。
  • ②BCPはBCMの一部ではなく、両者は完全に独立した別分野の取組みである。
  • ③BCMは緊急時にのみ発動される計画そのものを指し、平常時の活動は含まない。
  • ④BCPは緊急時の対応計画であり、BCMは策定・維持を担う活動全体を指す。
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正解 ④BCPは緊急時の対応計画であり、BCMは策定・維持を担う活動全体を指す。
解説
BCPが緊急事態発生時にとるべき対応をまとめた計画書そのものを指すのに対し、BCM(事業継続マネジメント)は、BIAやリスクアセスメントに基づくBCPの策定、教育・訓練の実施、見直しといった一連の活動をPDCAサイクルとして平常時から継続的に運営するマネジメント全体を指す、より広い概念である。

他の選択肢が不適切な理由
BCMとBCPは同一の内容を指す言葉ではなく、範囲の広さが異なる。BCPはBCMという枠組みの中で策定・維持される成果物の一つであり、両者は独立した別分野の取組みではない。BCMは平常時の教育・訓練や見直しの活動も含む概念であり、緊急時にのみ発動される計画そのものに限定されない。
問33-5

「RTO(目標復旧時間)」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①システム障害の発生前における、平常時の処理能力の上限値のこと。
  • ②障害発生から、業務を許容できる範囲まで復旧させるまでの目標時間。
  • ③バックアップデータを取得する頻度、そのものを表す指標のこと。
  • ④従業員が緊急連絡網によって、招集されるまでの平均的な時間のこと。
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正解 ②障害発生から、業務を許容できる範囲まで復旧させるまでの目標時間。
解説
RTO(Recovery Time Objective、目標復旧時間)とは、障害や災害の発生から、業務やシステムを許容できる範囲のレベルまで復旧させるまでに要する時間として組織があらかじめ定める目標値をいう。BCP策定においてBIAの結果をもとに設定される重要な指標である。

他の選択肢が不適切な理由
平常時の処理能力の上限値は、障害からの復旧に要する時間を表すRTOとは異なる概念である。バックアップの取得頻度を表す指標はRPOに関連する事項であり、RTOそのものではない。緊急連絡網による招集時間も、業務やシステムの復旧に要する時間を表すRTOとは異なる。
問43-5

「RPO(目標復旧時点)」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①災害発生後に、代替オフィスへ移転を完了するまでの目標時間。
  • ②システムが完全に停止してから、電源が復旧するまでの物理的時間。
  • ③障害発生時に、どの時点までデータを復旧できればよいかの目標。
  • ④訓練を実施してから、次回訓練を実施するまでの標準的な間隔。
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正解 ③障害発生時に、どの時点までデータを復旧できればよいかの目標。
解説
RPO(Recovery Point Objective、目標復旧時点)とは、システム障害や災害が発生した際に、過去のどの時点の状態までデータを復旧できればよいかを示す目標値であり、許容できるデータ損失の範囲を時間で表す指標である。バックアップの取得間隔を検討する際の基準となる。

他の選択肢が不適切な理由
代替オフィスへの移転完了時間は、拠点復旧に関する別の検討事項であり、データの復旧時点を表すRPOとは異なる。電源が物理的に復旧するまでの時間や、訓練の実施間隔も、RPOが表すデータ復旧時点の指標とは無関係である。
問53-5

「最大許容停止時間(MTPD)」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①それを超えると組織存続に深刻な影響が生じる、業務停止の限界時間。
  • ②従業員が1日に働くことができる、労働時間の上限のことをいう。
  • ③システムの保守契約において、ベンダーが対応可能な最短時間のこと。
  • ④災害発生時に消防や警察へ通報するまでに、許容される時間のこと。
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正解 ①それを超えると組織存続に深刻な影響が生じる、業務停止の限界時間。
解説
最大許容停止時間(MTPD、Maximum Tolerable Period of Disruption)とは、それを超えて業務が停止し続けると、組織の存続そのものに深刻な影響が及ぶとされる、業務停止が許容できる限界の時間をいう。RTOは、このMTPDを超えない範囲で設定される必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
労働基準法等で定められる従業員の労働時間の上限は、事業継続における業務停止の限界時間とは異なる別の概念である。保守契約上のベンダー対応時間や、災害発生時の通報猶予時間も、組織存続の観点から定められるMTPDの説明としては誤りである。
問63-5

BCP策定の過程で行う「事業影響度分析(BIA)」の目的として、最も適切なものはどれか。

  • ①従業員の給与水準を他社と比較し、待遇改善の要否を判断すること。
  • ②情報システムの導入コストを、複数のベンダー間で比較見積もりすること。
  • ③顧客満足度アンケートを実施し、商品開発に反映させること。
  • ④業務停止時の影響の大きさや優先順位を分析し、中核事業を特定すること。
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正解 ④業務停止時の影響の大きさや優先順位を分析し、中核事業を特定すること。
解説
事業影響度分析(BIA、Business Impact Analysis)とは、各業務が停止した場合に組織に生じる影響(顧客への影響、財務的損失、法令違反の可能性等)の大きさを分析し、優先的に継続・復旧すべき中核事業やRTO・RPOの目標値を検討するために行う分析をいう。BCP策定の土台となる工程である。

他の選択肢が不適切な理由
他社との給与水準の比較や待遇改善の要否判断は人事上の検討事項であり、BIAの目的ではない。システム導入コストの比較見積もりや、商品開発に向けた顧客満足度アンケートも、事業停止時の影響分析を目的とするBIAとは異なる活動である。
問73-5

災害時の代替拠点の類型のうち「ホットサイト」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①什器や配線などの設備を持たない、単なる空きスペースのみの拠点。
  • ②契約はしているが、機器の設置や設定は災害発生後に一から行う拠点。
  • ③本番環境と同等のシステムを常時稼働させ、短時間で切替可能な拠点。
  • ④代替拠点を一切用意せず、復旧作業を本社跡地でのみ行うという方針。
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正解 ③本番環境と同等のシステムを常時稼働させ、短時間で切替可能な拠点。
解説
ホットサイトとは、本番環境とほぼ同等のシステムやデータを常時稼働させておき、災害発生時には短時間で本番環境をこの拠点に切り替えられるようにした代替拠点をいう。復旧までの時間(RTO)を極めて短くできる一方、維持コストが高くなる傾向がある。

他の選択肢が不適切な理由
什器や配線設備を持たない空きスペースのみの拠点はコールドサイトの説明である。契約のみ済ませ機器の設置は災害後に行う拠点はウォームサイトに近い形態を指す説明であり、いずれもホットサイトとは異なる。代替拠点を一切用意しない方針は、代替拠点の類型そのものの説明にはならない。
問83-5

BCPの実効性を高めるための「訓練」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①訓練は認証審査の直前に一度だけ実施すれば十分で、以後は不要である。
  • ②机上・実地訓練で計画の実効性を検証し、課題を改善に反映させる。
  • ③訓練の結果は経営層に一切報告せず、現場担当者限りで保管しておく。
  • ④訓練は必ず休日に実施し、平日の業務時間中には行ってはならない。
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正解 ②机上・実地訓練で計画の実効性を検証し、課題を改善に反映させる。
解説
BCPの実効性を高めるためには、シナリオに沿って対応手順を確認する机上訓練や、実際に代替拠点への切替等を試す実地訓練を定期的に実施し、そこで明らかになった課題や不備をBCPの見直し・改善に反映させるというサイクルを継続することが重要である。

他の選択肢が不適切な理由
訓練は一度きりで終わらせるものではなく、状況の変化に応じて繰り返し実施すべきものである。訓練結果を経営層に報告しないことは、組織全体でのBCP改善につながらず適切ではない。訓練を必ず休日にのみ実施しなければならないという制約もなく、実際の緊急事態が平日に発生することも想定すべきである。
問93-5

ランサムウェア被害を想定した事業継続の観点からのバックアップ運用として、最も適切なものはどれか。

  • ①バックアップデータを、本番環境と同一のネットワーク上に常時接続する。
  • ②バックアップは初回の1回のみ取得し、以降は取得しないことにする。
  • ③バックアップデータの復元テストは行わず、取得の完了のみを確認する。
  • ④一部をオフラインまたは隔離環境に保管し、定期的に復元テストを行う。
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正解 ④一部をオフラインまたは隔離環境に保管し、定期的に復元テストを行う。
解説
ランサムウェアは接続されているネットワークドライブ等も暗号化の対象とすることがあるため、バックアップデータの一部をオフラインまたはネットワークから隔離された環境に保管し、実際に復元できることを定期的なテストで確認しておくことが、実効性のある事業継続対策として重要である。

他の選択肢が不適切な理由
バックアップを本番環境と同一のネットワーク上に常時接続しておくと、ランサムウェア感染時にバックアップごと暗号化される危険がある。初回のみでその後取得しないバックアップは最新の状態への復旧に対応できない。復元テストを行わず取得の完了のみを確認する運用では、実際に復元できるかどうかが保証されない。
問103-5

事業継続マネジメントシステムに関する規格「JIS Q 22301」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①事業継続マネジメントシステムの要求事項を定める、日本産業規格のことである。
  • ②個人情報の適正な取扱いに関する要求事項を定めた、日本産業規格のことである。
  • ③食品の品質管理に関する要求事項を定めた、日本産業規格のことをいう規格である。
  • ④労働安全衛生マネジメントシステムに関する要求事項を定めた規格のことである。
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正解 ①事業継続マネジメントシステムの要求事項を定める、日本産業規格のことである。
解説
JIS Q 22301は、国際規格ISO 22301に対応する形で制定された、事業継続マネジメントシステム(BCMS)の要求事項を定める日本産業規格である。組織がBCPを含む事業継続の取組みをPDCAサイクルで管理・改善していくための枠組みを示している。

他の選択肢が不適切な理由
個人情報の適正な取扱いに関する規格はJIS Q 15001等であり、JIS Q 22301とは異なる。食品の品質管理に関する規格や労働安全衛生マネジメントシステムに関する規格も、それぞれ別の規格(ISO 22000系、ISO 45001系等)であり、事業継続マネジメントシステムを定めるJIS Q 22301の説明としては誤りである。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。