2026年版・6-2

基礎-2 有害業務の法令入門の一問一答

第一種衛生管理者試験「最初に覚える土台知識」から、基礎-2 有害業務の法令入門に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-2

労働安全衛生法令の構成として正しいものはどれか。

  • ①法律から政令、省令の順に細かくなる
  • ②省令が最も上位で法律は補足である
  • ③政令と省令はまったく同じ効力を持つ
  • ④特別規則は政令より上位の法律である
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正解 ①法律から政令、省令の順に細かくなる
解説
労働安全衛生法令は「法律(労働安全衛生法)→政令(労働安全衛生法施行令)→省令(労働安全衛生規則や特別規則)」の順に、より具体的な内容へ落とし込まれる構造になっています。
たとえば作業環境測定であれば、法律第65条が「測定しなければならない」と定め、施行令第21条が対象となる作業場を列挙し、有機溶剤中毒予防規則などの省令が測定の頻度や方法を定めます。条文を読むときは、この3層のどこを見ているのかを意識すると理解が早くなります。
他の選択肢について

・省令が最上位:効力の上下が逆であり、省令は法律・政令の委任に基づいて定められます。
・政令と省令が同効力:政令は内閣が、省令は各省大臣が定めるもので、政令が上位です。
・特別規則が法律:有機則や特化則などの特別規則は厚生労働省令であり、法律ではありません。
問26-2

有機溶剤による中毒の予防について具体的な措置を定めている省令は、次のうちどれか。

  • ①粉じん障害防止規則
  • ②有機溶剤中毒予防規則
  • ③特定化学物質障害予防規則
  • ④酸素欠乏症等防止規則
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正解 ②有機溶剤中毒予防規則
解説
有機溶剤の取扱いについては、有機溶剤中毒予防規則(有機則)が設備・作業環境測定・健康診断・保護具などの措置を定めています。
第一種衛生管理者試験では、有害要因ごとに担当する特別規則を対応づけて覚えることが土台になります。特定化学物質障害予防規則(特化則)、粉じん障害防止規則(粉じん則)、酸素欠乏症等防止規則(酸欠則)、電離放射線障害防止規則(電離則)、高気圧作業安全衛生規則(高圧則)、石綿障害予防規則(石綿則)、鉛中毒予防規則(鉛則)などがあります。
他の選択肢について

・特定化学物質障害予防規則:第一類物質・第二類物質など、特定化学物質を対象とする省令です。
・粉じん障害防止規則:じん肺の原因となる粉じん作業を対象とする省令です。
・酸素欠乏症等防止規則:酸素欠乏危険場所での作業を対象とする省令です。
問36-2

労働安全衛生法上、原則として製造・輸入・譲渡・提供・使用が禁止されている物は、次のうちどれか。

  • ①エチレンオキシド
  • ②ジクロルベンジジン及びその塩
  • ③ベンジジン及びその塩
  • ④ホルムアルデヒド
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正解 ③ベンジジン及びその塩
解説
ベンジジン及びその塩は、労働安全衛生法第55条と同法施行令第16条により、製造・輸入・譲渡・提供・使用が原則として禁止されている物です。
施行令第16条は、黄りんマッチ、ベンジジン及びその塩、4-アミノジフェニル及びその塩、石綿、4-ニトロジフェニル及びその塩、ビス(クロロメチル)エーテル、ベータ-ナフチルアミン及びその塩、ベンゼンを含有するゴムのり(溶剤中のベンゼンが容量5%超のもの)を挙げています。試験研究のためであれば、都道府県労働局長の許可を受けて例外的に扱えます。
他の選択肢について

・ジクロルベンジジン及びその塩:製造が禁止される物ではなく、製造に厚生労働大臣の許可が必要な第一類物質です。
・エチレンオキシド:特定化学物質の第二類物質であり、禁止物質ではありません。
・ホルムアルデヒド:同じく第二類物質として規制されており、禁止はされていません。
問46-2

製造しようとするときに、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けなければならない物の区分はどれか。

  • ①特定化学物質の第二類物質
  • ②特定粉じん発生源
  • ③第一種有機溶剤等
  • ④特定化学物質の第一類物質
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正解 ④特定化学物質の第一類物質
解説
特定化学物質の第一類物質(および石綿分析用試料等)を製造しようとする者は、あらかじめ厚生労働大臣の許可を受けなければなりません(労働安全衛生法第56条第1項、同法施行令第17条)。
ジクロルベンジジン、アルファ-ナフチルアミン、塩素化ビフェニル(PCB)、オルト-トリジン、ジアニシジン、ベリリウム、ベンゾトリクロリドなどが第一類物質です。「製造できない物(禁止)」と「許可があれば製造できる物」を混同しないことが、有害物質の法令を読む出発点になります。
他の選択肢について

・第二類物質:発散抑制措置や作業環境測定などの規制はありますが、製造許可の対象ではありません。
・第一種有機溶剤等:有機則で色分け表示や測定の対象とされますが、許可制ではありません。
・特定粉じん発生源:粉じん則で設備の措置が求められる場所であり、物の区分ではありません。
問56-2

容器へのラベル表示について、労働安全衛生法上正しいものはどれか。

  • ①譲渡・提供する者が表示する
  • ②購入して使う側が表示する
  • ③危険性のある物だけが対象となる
  • ④法令上の義務ではなく推奨である
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正解 ①譲渡・提供する者が表示する
解説
ラベル表示の義務は、表示対象物を容器に入れ、または包装して譲渡・提供する者に課されています(労働安全衛生法第57条)。表示する内容は、名称、人体に及ぼす作用、貯蔵または取扱い上の注意、注意喚起語、標章(絵表示)などです。
危険有害性の情報を「物を渡す側」から「使う側」へ確実に届けることで、受け取った事業場がリスクアセスメントや保護具の選定を適切に行えるようにする仕組みです。表示は容器または包装に印刷するか、票せんを貼り付けて行い、それが難しいときは票せんを結びつける方法も認められます(労働安全衛生規則第32条)。対象となる物質は法改正により段階的に広げられています。
他の選択肢について

・購入して使用する側だけ:義務を負うのは譲渡・提供する側であり、向きが逆です。
・危険性のある物だけが対象:爆発性等の危険性だけでなく、健康障害を生じる有害性のある物も対象です。
・規格の推奨事項:法律上の義務であり、違反には罰則の適用があります。
問66-2

化学物質を他の事業者へ譲り渡すとき、その危険性や有害性の詳しい情報をまとめて相手に渡す文書を何と呼ぶか。

  • ①定期健康診断結果報告書
  • ②安全データシート(SDS)
  • ③作業環境測定の記録
  • ④製造許可申請書
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正解 ②安全データシート(SDS)
解説
危険有害性の情報をまとめて相手方へ渡す文書が、安全データシート(SDS)です。通知対象物を譲渡・提供するときは、名称、成分、人体に及ぼす作用、貯蔵または取扱い上の注意、流出などの応急措置といった事項を相手方に通知しなければなりません(労働安全衛生法第57条の2)。
容器に貼るラベルが、見た瞬間に分かる最小限の警告であるのに対し、SDSは詳しい情報をまとめた資料です。受け取った事業場は、これを基にリスクアセスメント(危険性・有害性の調査)を行い、換気や保護具などの対策を決めます。通知は文書の交付のほか、相手方の承諾を得れば電子メールやウェブサイトでの閲覧などの方法でも行えます。記載した内容は、定期に見直して最新の状態に保つことが求められます。
他の選択肢について

・定期健康診断結果報告書:健康診断の結果を所轄労働基準監督署長へ報告する書類で、渡す相手も目的も異なります。
・作業環境測定の記録:自分の事業場の空気中の有害物の濃度などを測って残す記録です。
・製造許可申請書:第一類物質の製造について厚生労働大臣の許可を受けるための書類です。
問76-2

化学物質のリスクアセスメントについて、労働安全衛生法上正しいものはどれか。

  • ①年1トンを超えて扱う場合だけ行う
  • ②常時50人以上の事業場だけ義務がある
  • ③対象物を扱う事業者に実施義務がある
  • ④努力義務にとどまり記録も要らない
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正解 ③対象物を扱う事業者に実施義務がある
解説
リスクアセスメント対象物(ラベル表示・SDS交付の対象物)を製造し、または取り扱う事業者には、危険性・有害性等の調査(リスクアセスメント)の実施が義務づけられています(労働安全衛生法第57条の3)。
実施の時期は、対象物を新規に採用・変更するとき、作業の方法や手順を変更するときなどです。事業者は結果に基づき、代替物の使用、発散源の密閉、局所排気装置の設置、作業方法の改善、有効な呼吸用保護具の使用などにより、ばく露の程度を最小限度にしなければなりません(労働安全衛生規則第577条の2)。
他の選択肢について

・50人以上に限る:事業場の規模による限定はなく、対象物を扱えば規模を問わず義務が生じます。
・年間1トン超:このような取扱量の下限は法令に定められていません。
・努力義務にとどまる:対象物については実施が義務であり、結果等の記録の作成・保存も求められます。
問86-2

化学物質管理者の選任について、労働安全衛生規則上正しいものはどれか。

  • ①屋内貯蔵所を設けるときだけ選任する
  • ②常時100人以上の事業場だけ選任する
  • ③産業医である医師の中から選任する
  • ④対象物を扱う事業場ごとに選任する
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正解 ④対象物を扱う事業場ごとに選任する
解説
化学物質管理者は、リスクアセスメント対象物を製造し、または取り扱う事業場ごとに選任します(労働安全衛生規則第12条の5)。この選任は化学物質の自律的な管理への転換にともない2024年4月から義務づけられたもので、業種や事業場の規模による限定はありません。
担当するのは、ラベル表示やSDS交付に関すること、リスクアセスメントの実施に関すること、その結果に基づくばく露防止措置の内容と実施に関すること、労働者への教育に関することなどの技術的事項です。あわせて、リスクアセスメントの結果に基づく措置として労働者に保護具を使わせるときは、保護具着用管理責任者も選任しなければなりません(同規則第12条の6)。
他の選択肢について

・100人以上に限る:事業場の規模による限定はありません。
・産業医の中から選ぶ:化学物質の管理に関する知識・経験が求められる役割で、医師である必要はありません。
・屋内貯蔵所の設置時のみ:消防法上の施設の話であり、選任の要件とは関係がありません。
問96-2

特別教育について、労働安全衛生法令上正しいものはどれか。

  • ①記録を作成し3年間保存する
  • ②記録を作成し1年間保存する
  • ③実施のつど監督署長へ報告する
  • ④危険な業務だけが対象となる
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正解 ①記録を作成し3年間保存する
解説
特別教育を行ったときは、受講者・科目等の記録を作成し、3年間保存しなければなりません(労働安全衛生規則第38条)。
特別教育は、危険または有害な業務のうち労働安全衛生規則第36条に列挙された業務に労働者を就かせるときに、事業者が自ら(または外部に委託して)行う教育です。衛生に関わるものとしては、酸素欠乏危険場所における作業に係る業務、特定粉じん作業に係る業務、エックス線装置等を取り扱う業務、四アルキル鉛等業務、石綿使用建築物等の解体等の作業に係る業務などが対象です。
他の選択肢について

・1年間保存:保存期間を短く取り違えたもので、正しくは3年間です。
・監督署長へ報告:記録の作成・保存は必要ですが、実施のつどの報告義務はありません。
・危険な業務だけが対象:酸素欠乏危険作業など、有害業務も数多く対象とされています。
問106-2

クレーンの運転など、法令で定める資格を持つ者でなければ就くことができない業務を何と呼ぶか。

  • ①特別教育を要する業務
  • ②就業制限に係る業務
  • ③作業主任者を選任すべき作業
  • ④指定作業場における作業
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正解 ②就業制限に係る業務
解説
免許を受けた者や技能講習を修了した者など、法令で定める資格を持つ者でなければ就くことができない業務を、就業制限に係る業務といいます(労働安全衛生法第61条第1項)。クレーンの運転、ボイラーの取扱い、ガス溶接などが政令で定められています。
業務に従事するときは、免許証その他その資格を証する書面を携帯していなければなりません(同条第2項・第3項)。
これに対して特別教育は、事業者が労働者に対して行う教育であり、外部の資格ではありません。「資格がなければ就けない業務」と「教育を受けさせてから就かせる業務」という違いで整理すると、取り違えにくくなります。
他の選択肢について

・特別教育を要する業務:事業者が教育を行えば就かせることができ、免許や技能講習の修了までは求められません。
・作業主任者を選任すべき作業:作業を指揮する責任者を置くべき作業のことで、作業者本人の資格を制限するものではありません。
・指定作業場における作業:作業環境測定を作業環境測定士に行わせなければならない作業場のことで、就業を制限する仕組みではありません。

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