2026年版・3-8

性質:毒性・中毒症状と解毒剤の一問一答

毒物劇物取扱者試験「毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他取扱方法」から、性質:毒性・中毒症状と解毒剤に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全500問) 毒物及び劇物の性質及び貯蔵その他取扱方法の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験の出題形式は都道府県によって異なりますが、ここでは4択で出題しています。

問13-8

有機燐系殺虫剤による中毒に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①血液中のカルシウムと結合し、腎臓を障害する
  • ②視神経を侵し、視力障害や失明を起こす
  • ③肺が線維化し、数日後に呼吸困難が進む
  • ④コリンエステラーゼを阻害し、縮瞳を起こす
答えと解説を見る
正解 ④コリンエステラーゼを阻害し、縮瞳を起こす
解説
有機燐系殺虫剤は、神経の信号を伝えるアセチルコリンを分解する酵素(コリンエステラーゼ)の働きを阻害します。その結果、アセチルコリンがたまって神経が過剰に刺激され続け、縮瞳(瞳孔が小さくなる)、よだれ・発汗・涙の増加、吐き気、筋肉のけいれん、呼吸困難などを起こします。治療にはPAM(プラリドキシム)や硫酸アトロピンが用いられ、施行規則第11条の5でも、有機燐化合物(とその製剤)たる毒物・劇物を販売・授与するときに容器・被包に表示する解毒剤として、この2つ(PAMの製剤・硫酸アトロピンの製剤)が定められています(法第12条第2項第3号)。

他の選択肢が不適切な理由
・カルシウムと結合して腎臓を障害:これは蓚酸の中毒の特徴です。
・視神経を侵して失明:これはメタノールの中毒の特徴です。
・肺が線維化して数日後に呼吸困難:これはパラコートの中毒の特徴です。

覚え方のポイント
中毒症状は「物質ごとの決め手の1語」で覚えます。有機燐系=縮瞳・コリンエステラーゼ阻害、メタノール=失明、パラコート=肺線維症、蓚酸=低カルシウム・腎障害、シアン=細胞呼吸の阻害、アニリン・ニトロベンゼン=メトヘモグロビン(チアノーゼ)。この対応表を作っておくと、入れ替えのひっかけに強くなります。
問23-8

シアン化合物による中毒の解毒剤・治療薬として、適当なものはどれか。

  • ①亜硝酸アミル
  • ②PAM
  • ③ジメルカプロール(BAL)
  • ④硫酸アトロピン
答えと解説を見る
正解 ①亜硝酸アミル
解説
シアン化合物は、細胞が酸素を使ってエネルギーをつくる働き(細胞呼吸)を止めてしまうため、短時間で意識障害・けいれん・呼吸停止に至ります。治療には、亜硝酸アミル(吸入)や亜硝酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロキソコバラミンなどが用いられます。亜硝酸類は血液中にメトヘモグロビンをつくり、これにシアンを結びつけて細胞からシアンを引き離す、という考え方で使われます。

他の選択肢が不適切な理由
・PAM:有機燐系の中毒に用いられる解毒剤です。シアン中毒には用いません。
・ジメルカプロール(BAL):ヒ素や水銀などの重金属による中毒に用いられる解毒剤です。
・硫酸アトロピン:有機燐系やカーバメート系の中毒で、過剰になったアセチルコリンの作用を抑えるために用いられます。

覚え方のポイント
解毒剤は「シアン=亜硝酸類・チオ硫酸ナトリウム・ヒドロキソコバラミン」「有機燐=PAM・硫酸アトロピン」「ヒ素・水銀=BAL」「蓚酸・弗化水素=カルシウム剤」の4グループで覚えます。実際の治療は医師が行うので、試験では「どの物質にどの解毒剤か」の対応を確実にしておきましょう。
問33-8

ヒ素化合物による中毒の解毒剤として用いられるものはどれか。

  • ①PAM
  • ②ジメルカプロール(BAL)
  • ③亜硝酸アミル
  • ④チオ硫酸ナトリウム
答えと解説を見る
正解 ②ジメルカプロール(BAL)
解説
ジメルカプロール(BAL)は、分子の中にある硫黄を含む部分(チオール基)でヒ素や水銀などの金属と強く結びつき、体の酵素から金属を引き離して排泄させる解毒剤(キレート剤)です。三酸化二ヒ素などのヒ素化合物による中毒の解毒剤として用いられます。ヒ素化合物(法令上の表記は砒素化合物)は毒物(毒物及び劇物指定令第1条)で、急性中毒では激しい嘔吐・下痢・腹痛などの消化器症状が現れます。

他の選択肢が不適切な理由
・PAM:有機燐系殺虫剤の中毒に用いられる解毒剤です。阻害されたコリンエステラーゼの働きを回復させます。
・亜硝酸アミル:シアン化合物の中毒に用いられます。
・チオ硫酸ナトリウム:シアン化合物の中毒などに用いられます。シアンを毒性の低いチオシアン酸塩に変えて排泄させます。

覚え方のポイント
BALは「British Anti-Lewisite」の略で、もともとヒ素を含む毒ガスへの対策として開発された、という由来を知っていると「BAL=ヒ素」と結びつけやすくなります。重金属(ヒ素・水銀など)にはBAL、と覚えましょう。
問43-8

メタノールの毒性に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①視神経が障害され、失明することがある
  • ②体内でホルムアルデヒドやギ酸に変わる
  • ③代謝物は無害で、症状は飲んだ直後のみ
  • ④中毒の症状が、遅れて現れることがある
答えと解説を見る
正解 ③代謝物は無害で、症状は飲んだ直後のみ
解説
メタノールは、それ自体よりも、体内で代謝されてできるホルムアルデヒドやギ酸が強い毒性を示します。代謝には時間がかかるため、飲んだ直後は酒に酔ったような症状が軽く出るだけでも、数時間〜1日ほどたってから、頭痛・めまい・吐き気・腹痛・視覚障害などが現れ、重い場合は失明や死亡に至ります。「代謝物は無害」「症状は直後だけ」はどちらも誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
(いずれも正しい記述です)
・視神経が障害され失明することがある:代謝物のギ酸などが視神経を障害し、視力障害や失明を起こします。メタノール中毒の最大の特徴です。
・体内でホルムアルデヒドやギ酸に変わる:アルコールを分解する酵素によって、メタノール→ホルムアルデヒド→ギ酸と変化します。
・症状が遅れて現れる:代謝物がたまるまで時間がかかるため、発症が遅れます。

覚え方のポイント
メタノールは「遅れて出る・目が見えなくなる」と覚えます。エタノールと見た目もにおいも似ているため、誤飲事故が起こりやすい物質です。治療には、メタノールの代謝をエタノールなどで競合的に遅らせる方法がとられることもあります。
問53-8

中毒症状に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①パラコートは、遅れて肺線維症を起こすことがある
  • ②シアン化合物は、細胞の呼吸を阻害する
  • ③アニリンは、メトヘモグロビンをつくる
  • ④有機燐系の中毒では、瞳孔が大きく開く
答えと解説を見る
正解 ④有機燐系の中毒では、瞳孔が大きく開く
解説
有機燐系殺虫剤の中毒では、コリンエステラーゼが阻害されてアセチルコリンが過剰になり、瞳孔は小さくなります(縮瞳)。瞳孔が大きく開く(散瞳)のではないので、この記述が誤りです。縮瞳は、有機燐系・カーバメート系の中毒を見分ける重要な手がかりとされています。

他の選択肢が不適切な理由
(いずれも正しい記述です)
・パラコート:飲み込んでから数日たって、肺の組織が硬くなる肺線維症が進行し、呼吸困難に陥ることがあります。国際化学物質安全性カードでも「肺線維症の症状は数日経過するまで現われない」とされています。
・シアン化合物:細胞が酸素を利用する働き(細胞呼吸)を阻害し、短時間で重い症状を起こします。
・アニリン:血液中にメトヘモグロビンをつくり、酸素を運べなくして、皮膚や唇が青紫色になるチアノーゼを起こします。

覚え方のポイント
瞳孔の変化は「有機燐・カーバメート=縮瞳」と覚え、「アトロピン(解毒に使う薬)は逆に瞳孔を開く作用がある」と対にすると忘れにくくなります。症状が遅れて出る物質(パラコート・メタノール・ホスゲン)もまとめて覚えておきましょう。
問63-8

中毒と解毒剤・治療薬に関する次の記述a〜dのうち、正しいものの組合せを選びなさい。
a 無機水銀化合物の中毒には、ジメルカプロール(BAL)が用いられる。
b 蓚酸の中毒には、カルシウム剤が用いられる。
c シアン化合物の中毒には、PAMが用いられる。
d メタノールの中毒には、チオ硫酸ナトリウムが用いられる。

  • ①a、b
  • ②a、c
  • ③b、d
  • ④c、d
答えと解説を見る
正解 ①a、b
解説
解毒剤は、毒物がどのように体に作用するかに対応して選ばれます。重金属には金属と結びつくBAL、カルシウムを奪う蓚酸にはカルシウム剤、というように、作用のしくみと解毒剤を結びつけて理解すると覚えやすくなります。aとbが正しく、cとdが誤りです。

各記述の正誤
・a 正しい:BALは硫黄を含む部分で水銀やヒ素などの金属と結びつき、体外への排泄を助けます。無機水銀化合物の中毒に用いられます。
・b 正しい:蓚酸は血液中のカルシウムと結びついて低カルシウム血症を起こすため、グルコン酸カルシウムなどのカルシウム剤が用いられます。
・c 誤り:PAMは有機燐系の中毒に用いる解毒剤です。シアン化合物には亜硝酸アミル・亜硝酸ナトリウム・チオ硫酸ナトリウム・ヒドロキソコバラミンなどが用いられます。
・d 誤り:チオ硫酸ナトリウムはシアン化合物の中毒に用いられます。メタノール中毒では、代謝を遅らせるためにエタノールなどが使われることがあります。

覚え方のポイント
チオ硫酸ナトリウムは「シアンの解毒」と「塩素・臭素の廃棄(還元法)の還元剤」の2つの場面で登場します。場面ごとに役割が違うので、混同しないように整理しておきましょう。
問73-8

カーバメート系殺虫剤(メソミルなど)による中毒に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①ヘモグロビンと強く結合し、治療に高圧酸素を用いる
  • ②コリンエステラーゼ阻害で、硫酸アトロピンを使う
  • ③視神経を強く障害し、治療にはBALを主に用いる
  • ④肺を線維化させて、治療にはカルシウム剤を用いる
答えと解説を見る
正解 ②コリンエステラーゼ阻害で、硫酸アトロピンを使う
解説
カーバメート系殺虫剤(メソミル、NAC(カルバリル)、BPMC など)は、有機燐系と同じくコリンエステラーゼの働きを阻害し、縮瞳・よだれ・発汗・けいれん・呼吸困難などを起こします。ただし、カーバメート系による阻害は時間とともに回復しやすい(可逆的な)点が有機燐系と異なり、治療には主に硫酸アトロピンが用いられます。有機燐系で用いるPAMは、カーバメート系では臨床的な有効性が確認されておらず、阻害された酵素も比較的速く自然に回復するため、投与は推奨されていません(日本中毒情報センター監修「農薬中毒の症状と治療法」)。

他の選択肢が不適切な理由
・ヘモグロビンと結合し高圧酸素で治療する:これは一酸化炭素中毒の特徴と治療法です。
・視神経を障害しBALを用いる:視神経の障害はメタノールの特徴で、BALはヒ素や水銀などの重金属の解毒剤です。
・肺を線維化させカルシウム剤を用いる:肺線維症はパラコートの特徴で、カルシウム剤は蓚酸や弗化水素の中毒に用いられます。

覚え方のポイント
「有機燐系=PAM+硫酸アトロピン」「カーバメート系=硫酸アトロピン(PAMは推奨されない)」と、1つだけ違うところを対比して覚えます。症状(縮瞳など)は両者ほぼ共通なので、区別のポイントは解毒剤です。
問83-8

蓚酸による中毒に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①ヘモグロビンと結合し、酸素の運搬を妨げる
  • ②コリンエステラーゼを阻害し、縮瞳を起こす
  • ③カルシウムと結合して、腎臓などを障害する
  • ④視神経を選択的に侵して、失明を起こす
答えと解説を見る
正解 ③カルシウムと結合して、腎臓などを障害する
解説
蓚酸は、体内に吸収されると血液中のカルシウムと結びついて水に溶けにくい蓚酸カルシウムをつくります。そのため血液中のカルシウムが減って(低カルシウム血症)、けいれんなどの神経や筋肉の症状が現れ、さらに蓚酸カルシウムの結晶が腎臓にたまって腎臓を障害します。治療では、カルシウム剤の投与が行われます。

他の選択肢が不適切な理由
・ヘモグロビンと結合し酸素の運搬を妨げる:これは一酸化炭素などの作用で、蓚酸の中毒の特徴ではありません。
・コリンエステラーゼを阻害し縮瞳:これは有機燐系・カーバメート系殺虫剤の中毒の特徴です。
・視神経を侵して失明:これはメタノールの中毒の特徴です。

覚え方のポイント
蓚酸は「カルシウム泥棒」と覚えると、症状(低カルシウム・腎障害)と解毒(カルシウム剤)が一度に思い出せます。弗化水素(弗化水素酸)も体内でカルシウムと強く結びつくため、同じようにカルシウム剤が治療に使われます。「カルシウムを奪う2品目=蓚酸と弗化水素」とセットで押さえましょう。
問93-8

劇物の吸入などによる毒性に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①トルエンは中枢神経に作用せず、麻酔作用はない
  • ②塩素は目や気道を強く刺激し、肺水腫を起こす
  • ③四塩化炭素は、吸入すると肝臓や腎臓を障害する
  • ④クロロホルムは、蒸気を吸うと麻酔作用を示す
答えと解説を見る
正解 ①トルエンは中枢神経に作用せず、麻酔作用はない
解説
トルエンの蒸気を吸い込むと、中枢神経が抑制されて頭痛・めまい・酩酊感が現れ、高い濃度では麻酔作用によって意識を失うことがあります。この作用があるため、トルエンは施行令第32条の2で、法第3条の3の「興奮、幻覚又は麻酔の作用を有する物」に指定されています。「麻酔作用はない」は誤りです。

他の選択肢が不適切な理由
(いずれも正しい記述です)
・塩素:目や鼻、のど、気道の粘膜を強く刺激し、多量に吸い込むと肺水腫を起こして呼吸困難に陥ることがあります。
・四塩化炭素:吸入や皮膚からの吸収によって、肝臓や腎臓が障害されます。
・クロロホルム:かつて全身麻酔に使われたほど強い麻酔作用があり、高い濃度の蒸気を吸うと意識を失うことがあります。肝臓などへの障害も起こします。

覚え方のポイント
有機溶剤の多くは「中枢神経の抑制(麻酔作用)」をもつ、と覚えておきます。そのうえで、トルエン・酢酸エチル・メタノール(を含むシンナー等)が法第3条の3の対象になっていること、四塩化炭素・クロロホルムは肝臓や腎臓への障害が強いこと、と特徴を上乗せして整理しましょう。
問103-8

次の記述a〜dのうち、正しいものはいくつあるか。
a 水銀の蒸気を長く吸入すると、手のふるえなどの神経症状が現れる。
b シアン化水素を吸入すると、短時間で呼吸困難やけいれんを起こす。
c 硝酸が皮膚に付くと、その部分が黄色く変色する。
d フェノールは、皮膚に付いても腐食作用を示さない。

  • ①1つ
  • ②2つ
  • ③3つ
  • ④4つ
答えと解説を見る
正解 ③3つ
解説
a〜cの3つが正しく、dだけが誤りです。毒性の問題は、吸入・皮膚への付着・飲み込みのどの経路で、どの臓器にどんな症状が出るかを整理しておくと答えやすくなります。

各記述の正誤
・a 正しい:水銀の蒸気を長く吸い続けると、手のふるえ(振戦)、いらいら、記憶力の低下などの神経症状や、腎臓の障害が現れます。
・b 正しい:シアン化水素は吸入すると急速に吸収され、細胞呼吸を止めるため、短時間で頭痛・呼吸困難・けいれん・意識消失を起こします。
・c 正しい:硝酸は皮膚のたんぱく質と反応して黄色く変色させ(キサントプロテイン反応)、腐食してやけどを起こします。
・d 誤り:フェノールは皮膚に付くと白くなって腐食し、やけどを起こします。さらに皮膚から吸収されて全身の中毒を起こすことがあります。

覚え方のポイント
皮膚に付いたときの変化は識別の手がかりにもなります。「硝酸=黄色」「フェノール=白くなって腐食」「硝酸銀=黒く染まる」と、色で覚えておきましょう。皮膚に付いたら、すぐに多量の水で洗い流すのが共通の応急措置です。

毒物劇物取扱者試験の対策問題(全500問)に戻る

非公式の資格試験対策サイトです。各都道府県・関西広域連合及び厚生労働省とは一切関係ありません。

※本ページでは、アクセス解析(Googleアナリティクス)と、広告の配信・成果の計測(A8.net)のためにCookie等を利用し、閲覧に関する情報をGoogle LLC・株式会社ファンコミュニケーションズへ送信しています。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

【PR】