2026年版・4-4

水理学の基礎(静水圧と流れ)の一問一答

2級土木施工管理技士「工学基礎知識・共通工学」から、水理学の基礎(静水圧と流れ)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-4

静止している水の中の一点に作用する静水圧に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①静水圧は、あらゆる方向に等しい大きさで作用する
  • ②静水圧は、鉛直下向きの方向にだけ大きく作用する
  • ③静水圧は、水深に関係なく一定の大きさとなる
  • ④静水圧は、面に対して常に斜め方向に作用する
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正解 ①静水圧は、あらゆる方向に等しい大きさで作用する
解説
静止した水の中では、ある一点における水圧はあらゆる方向に等しい大きさで働きます。これをパスカルの原理に基づく静水圧の等方性といいます。
また、水圧はその点が接している面に対して必ず垂直に作用します。水は形を保つ力(せん断抵抗)をもたないため、面に沿った方向の力を伝えられないからです。
大きさは水深に比例し、水の単位体積重量をwとすると、水深hの点の圧力は p = w×h で求まります。水面から深くなるほど直線的に大きくなります。
この性質があるため、擁壁や水門に作用する水圧の分布は、水面で零、底で最大となる三角形の形になります。
本試験では、作用する向きを鉛直方向だけに限定した記述や、水深に関係なく一定とする記述で出題されます。「方向は等方、大きさは水深に比例」と整理してください。
(根拠:パスカルの原理に基づく静水圧の等方性による)

他の選択肢が不適切な理由
「静水圧は、鉛直下向きの方向にだけ大きく作用する」は誤りです。水平方向にも同じ大きさで作用するため、鉛直な壁にも水圧がかかります。
「静水圧は、水深に関係なく一定の大きさとなる」も誤りで、実際には水深に比例して大きくなります。
「静水圧は、面に対して常に斜め方向に作用する」も誤りです。静水圧は面に対して必ず垂直に作用します。
問24-4

水の単位体積重量を9.8kN/m³とするとき、水深5.0mの位置に生じる静水圧の大きさとして、正しいものはどれか。

  • ①9.8kN/m²
  • ②49kN/m²
  • ③24.5kN/m²
  • ④98kN/m²
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正解 ②49kN/m²
解説
静水圧は、水の単位体積重量に水深を掛けて求めます。
p = w × h
wは水の単位体積重量、hは水面からの深さです。
p = 9.8kN/m³ × 5.0m = 49kN/m²
となります。
単位に注目すると、kN/m³ に m を掛けるので kN/m² となり、面積あたりの力すなわち圧力の単位になります。単位の確認は計算の検算にも使えます。
この式が意味しているのは、その点より上にある水の柱の重さを、断面積で割ったものが圧力になる、ということです。したがって容器の形や水面の広さには関係せず、深さだけで決まります。
水深10mでおよそ98kN/m²となり、これは大気圧のおよそ1気圧ぶんに相当します。ダムや水門の設計では、この水圧分布から全水圧を求めます。
本試験では、水深や単位体積重量の値を変えた同型の計算や、全水圧を求めさせる形で出題されます。
(根拠:静水圧の式(p=w·h)による)

他の選択肢が不適切な理由
「9.8kN/m²」は単位体積重量の値をそのまま答えたもので、水深を掛けていません。
「24.5kN/m²」は水深を2.5mとして計算した値で、水深を半分に取り違えています。
「98kN/m²」は水深10mの場合の値で、与えられた水深の2倍で計算しています。
問34-4

水面から底までの深さがhの静水中に置かれた鉛直な長方形の平面に作用する全水圧に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①全水圧の作用点は、水面からの深さの2分の1の位置にある
  • ②全水圧の作用点は、水面からの深さの3分の1の位置にある
  • ③全水圧の作用点は、水面からの深さの3分の2の位置にある
  • ④全水圧の大きさは、水深に関係なく一定の値である
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正解 ③全水圧の作用点は、水面からの深さの3分の2の位置にある
解説
水圧は水面で零、底で最大となり、深さに比例して直線的に増える三角形の分布になります。
全水圧の大きさは、この三角形の面積にあたり、平面の幅をbとすると P = w×h²÷2×b で求められます。これは「平均の水圧(中央の深さの水圧)×面積」と同じ値です。
作用点は、水圧の合力が働く位置であり、三角形分布の図心にあたります。三角形の図心は底辺側に寄るため、水面から数えて深さの3分の2、底から数えて3分の1の位置になります。
この位置を圧力中心といいます。擁壁の転倒に対する安定計算では、この作用点の高さが直接効いてくるため、2分の1と取り違えると結果が大きく変わります。
本試験では、作用点を2分の1や3分の1に入れ替えた形で繰り返し出題されます。「大きさは平均、作用点は3分の2の深さ」と対で覚えてください。
(根拠:三角形に分布する静水圧の合力と、その図心にあたる圧力中心の位置による)

他の選択肢が不適切な理由
「全水圧の作用点は、水面からの深さの2分の1の位置にある」は、水圧が一様に分布する場合の位置で、三角形分布では誤りです。
「全水圧の作用点は、水面からの深さの3分の1の位置にある」は、底から数えた位置と水面から数えた位置を取り違えています。
「全水圧の大きさは、水深に関係なく一定の値である」も誤りで、全水圧は水深の2乗に比例して大きくなります。
問44-4

管路の流れに適用されるベルヌーイの定理に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①位置水頭と圧力水頭の差は、常に一定となる
  • ②速度水頭は、流速に比例して大きくなる量である
  • ③圧力水頭は、流速が大きいほど大きくなる量である
  • ④位置水頭・圧力水頭・速度水頭の和は一定となる
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正解 ④位置水頭・圧力水頭・速度水頭の和は一定となる
解説
ベルヌーイの定理は、摩擦などによる損失がない理想的な流れについて、水のもつエネルギーの総量が流れに沿って一定であることを表したものです。
z + p/w + v²/(2g) = 一定
第一項が位置水頭(高さ)、第二項が圧力水頭、第三項が速度水頭です。いずれも長さの単位で表されるため、三つを足し合わせて比べることができます。
この定理から、管が細くなって流速が増える場所では速度水頭が増え、その分だけ圧力水頭が下がる、という関係が導かれます。ベンチュリ管による流量測定はこの性質を利用したものです。
実際の管路では摩擦による損失が生じるため、下流側ほど総水頭は小さくなります。この差が損失水頭です。
本試験では、三つの水頭のうち二つだけを挙げた記述や、速度水頭が流速に比例するとした記述で出題されます。速度水頭は流速の2乗に比例します。
(根拠:ベルヌーイの定理(z+p/w+v²/2g=一定)による)

他の選択肢が不適切な理由
「位置水頭と圧力水頭の差は、常に一定となる」は誤りです。一定に保たれるのは三つの水頭の和であり、二つの差ではありません。
「速度水頭は、流速に比例して大きくなる量である」も誤りで、正しくは流速の2乗に比例します。流速が2倍になれば速度水頭は4倍です。
「圧力水頭は、流速が大きいほど大きくなる量である」は関係が逆です。流速が大きい断面では圧力水頭は小さくなります。
問54-4

水の流れの分類に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①断面や流速が場所によって変わらない流れを等流という
  • ②時間とともに状態が変化しない流れを定常流という
  • ③レイノルズ数が小さいほど乱流になりやすいといえる
  • ④水面が大気に接している流れを開水路の流れという
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正解 ③レイノルズ数が小さいほど乱流になりやすいといえる
解説
レイノルズ数と流れの状態の関係は逆です。レイノルズ数が小さいほど層流になりやすく、大きくなると乱流に移ります。ここが誤りです。
レイノルズ数は、流れのもつ慣性の効果と粘りの効果の比を表す無次元の数で、流速と管径に比例し、動粘性係数に反比例します。値が小さいということは粘りの効果が強いということなので、水の層が乱れずに整然と流れる層流になります。
円管の流れでは、レイノルズ数がおよそ2000を下回ると層流、それより大きくなると乱流に移行するとされています。実際の河川や上下水道の流れはほとんどが乱流です。
流れの分類には、場所による変化で分ける等流と不等流、時間による変化で分ける定常流と非定常流、水面の有無で分ける管路と開水路など、いくつもの軸があります。
本試験では、層流と乱流の関係を入れ替えた記述が定番です。
(根拠:レイノルズ数による層流と乱流の判別(円管ではおよそ2000が境目)による)

他の選択肢が不適切な理由
「断面や流速が場所によって変わらない流れを等流という」は正しい定義です。場所によって変わる場合は不等流と呼びます。
「時間とともに状態が変化しない流れを定常流という」も正しい定義です。変化する場合は非定常流です。
「水面が大気に接している流れを開水路の流れという」も正しい記述です。管の中を満たして流れる場合は管路の流れになります。
問64-4

満管で水が流れている管路において、断面積0.40m²の断面での平均流速が2.0m/sであった。同じ管路で断面積が0.20m²となる断面での平均流速として、正しいものはどれか。

  • ①4.0m/s
  • ②1.0m/s
  • ③2.0m/s
  • ④8.0m/s
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正解 ①4.0m/s
解説
満管の管路では、途中で水が増えたり減ったりしないため、どの断面でも流量が等しくなります。これを連続の式といいます。
A₁ × v₁ = A₂ × v₂
まず流量を求めます。
Q = 0.40m² × 2.0m/s = 0.80m³/s
次に断面積0.20m²の断面での流速を求めます。
v₂ = 0.80m³/s ÷ 0.20m² = 4.0m/s
となります。
断面積が半分になれば流速は2倍になる、という反比例の関係です。ホースの先を指でつぶすと水の勢いが増すのは、この関係によるものです。
この関係はベルヌーイの定理と組み合わせて使われます。流速が増えた断面では速度水頭が増え、その分だけ圧力が下がるため、細い部分では管内の圧力が低下します。
本試験では、断面積を直径で与えて面積から求めさせる形や、流量を問う形で出題されます。
(根拠:連続の式(A₁v₁=A₂v₂)による)

他の選択肢が不適切な理由
「1.0m/s」は断面積と流速の関係を比例と考えた値で、実際は反比例します。
「2.0m/s」はもとの断面での流速をそのまま答えたもので、断面積の変化を反映していません。
「8.0m/s」は断面積が4分の1になったとして計算した値で、断面積の比を取り違えています。
問74-4

開水路の等流に用いられるマニングの公式に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①平均流速は、粗度係数が大きいほど大きくなる
  • ②平均流速は、径深と勾配が大きいほど大きくなる
  • ③平均流速は、水路勾配に関係なく一定の値となる
  • ④平均流速は、径深が大きいほど小さくなっていく
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正解 ②平均流速は、径深と勾配が大きいほど大きくなる
解説
マニングの公式は、開水路の等流における平均流速を求める式です。
v = (1/n) × R^(2/3) × I^(1/2)
nは粗度係数、Rは径深、Iは水路の勾配です。
径深Rは、流水の断面積を、水が壁面に接している長さ(潤辺)で割った値で、水路の断面がどれだけ水を流しやすい形かを表します。同じ断面積でも、周囲に接する長さが短い形ほど摩擦の影響が小さく、流速が大きくなります。
式の形から、径深と勾配が大きいほど流速は大きくなり、粗度係数nが大きい(壁面が粗い)ほど流速は小さくなることが分かります。nは式の分母にあるためです。
コンクリート水路のnはおよそ0.013〜0.015、自然河川では0.03を超えることもあります。
本試験では、粗度係数と流速の関係を逆にした記述や、勾配の影響を打ち消した記述で出題されます。
(根拠:マニングの公式(v=(1/n)R^(2/3)I^(1/2))による)

他の選択肢が不適切な理由
「平均流速は、粗度係数が大きいほど大きくなる」は関係が逆です。粗度係数は分母にあるため、大きいほど流速は小さくなります。
「平均流速は、水路勾配に関係なく一定の値となる」も誤りで、流速は勾配の2分の1乗に比例します。
「平均流速は、径深が大きいほど小さくなっていく」も逆です。径深は分子にあり、大きいほど流速は大きくなります。
問84-4

幅3.0m、水深1.2mの長方形断面の水路を、平均流速1.5m/sで水が流れている。この水路を流れる流量として、正しいものはどれか。

  • ①3.6m³/s
  • ②4.5m³/s
  • ③2.4m³/s
  • ④5.4m³/s
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正解 ④5.4m³/s
解説
流量は、流水の断面積に平均流速を掛けて求めます。
Q = A × v
まず断面積を求めます。長方形断面なので幅と水深の積です。
A = 3.0m × 1.2m = 3.6m²
次に流量を求めます。
Q = 3.6m² × 1.5m/s = 5.4m³/s
となります。
単位を確かめると、m² に m/s を掛けるので m³/s となり、1秒あたりに通過する水の体積を表します。
この水路の径深を求めると、潤辺は 1.2 + 3.0 + 1.2 = 5.4m なので、R = 3.6 ÷ 5.4 = 0.67m です。マニングの公式で流速を求める問題では、この径深の計算が必要になります。潤辺には水面の幅を含めない点に注意してください。
本試験では、断面が台形の水路で面積と潤辺を求めさせる形や、流量から必要な水深を逆算させる形で出題されます。
(根拠:連続の式(Q=A·v)による)

他の選択肢が不適切な理由
「3.6m³/s」は断面積の値をそのまま答えたもので、流速を掛けていません。
「4.5m³/s」は幅と流速だけを掛けた値で、水深を考慮していません。
「2.4m³/s」は断面積3.6m²を流速1.5m/sで割った値です。流量は断面積に流速を掛けて求めます。
問94-4

水中にある物体に作用する浮力に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①浮力の大きさは、押しのけた水の重量に等しくなる
  • ②浮力の大きさは、物体そのものの重量に等しくなる
  • ③浮力の大きさは、物体の水深が深いほど大きくなる
  • ④浮力の大きさは、物体の表面積に比例して決まる
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正解 ①浮力の大きさは、押しのけた水の重量に等しくなる
解説
水中の物体には、その物体が押しのけた水の重量と同じ大きさの浮力が、鉛直上向きに作用します。これをアルキメデスの原理といいます。
浮力 = 水の単位体積重量 × 物体の水中部分の体積
で求められます。したがって浮力を決めるのは、物体の体積のうち水に沈んでいる部分の大きさであり、物体の材質や表面積、沈んでいる深さには関係しません。
物体が完全に水没している場合、深さを変えても押しのける体積は変わらないため、浮力も変わりません。
この原理は土木の現場でも重要で、地下構造物やマンホールが地下水位より下にあると、浮力によって浮き上がる(浮上)おそれがあります。設計では、構造物の重量が浮力を上回るよう、重量を増やしたり抵抗となる部材を設けたりします。
本試験では、浮力を物体の重量や深さと結びつけた記述で出題されます。「押しのけた水の重さ」が判断の基準です。
(根拠:アルキメデスの原理による)

他の選択肢が不適切な理由
「浮力の大きさは、物体そのものの重量に等しくなる」は、水に浮いて静止している場合に限って成り立つ関係で、水没した物体では成り立ちません。
「浮力の大きさは、物体の水深が深いほど大きくなる」は誤りです。完全に水没していれば、深さが変わっても押しのける体積は同じなので浮力も一定です。
「浮力の大きさは、物体の表面積に比例して決まる」も誤りで、関係するのは表面積ではなく水中部分の体積です。
問104-4

ある点の水圧が98kN/m²であった。水の単位体積重量を9.8kN/m³とするとき、この点の圧力水頭として正しいものはどれか。

  • ①1.0m
  • ②10m
  • ③9.8m
  • ④100m
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正解 ②10m
解説
圧力水頭は、その点の水圧を水の高さに置き換えて表したものです。
圧力水頭 = p ÷ w
pは水圧、wは水の単位体積重量です。
圧力水頭 = 98kN/m² ÷ 9.8kN/m³ = 10m
となります。
単位を確かめると、kN/m² を kN/m³ で割るので m となり、長さの単位になります。
この計算が意味しているのは、「その点の圧力は、高さ10mの水柱が底に及ぼす圧力と同じ」ということです。圧力を長さで表すことで、位置水頭や速度水頭と足し合わせて比べられるようになります。これがベルヌーイの定理で水頭という表現を使う理由です。
参考として、大気圧のおよそ1気圧は水柱でおよそ10.3mに相当します。ポンプが水を吸い上げられる高さに限界があるのは、この値が上限になるためです。
本試験では、水圧と圧力水頭を相互に換算させる形で出題されます。
(根拠:圧力水頭の定義(圧力水頭=p/w)による)

他の選択肢が不適切な理由
「1.0m」は水圧を9.8kN/m²として計算した値で、与えられた水圧の桁を取り違えています。
「9.8m」は単位体積重量の値をそのまま答えたもので、除算が行われていません。
「100m」は9.8ではなく0.98で割った値にあたり、桁が一つずれています。

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