2026年版・4-8

ターミナルケアと看取りの一問一答

介護支援専門員試験「保健医療サービスの知識等②(在宅医療管理とサービス各論)」から、ターミナルケアと看取りに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-8

在宅での看取りを支援するケアマネジメントに関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①看取り期には介護支援専門員の関与は不要となり医療職のみで対応する
  • ②家族への支援は看取り後にのみ開始すればよく、看取り前は不要である
  • ③主治医、訪問看護、介護職等の多職種が連携し、本人・家族を支える体制を整える
  • ④看取りの方針は介護支援専門員が単独で決定し、本人・家族の意向は参考程度でよい
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正解 ③主治医、訪問看護、介護職等の多職種が連携し、本人・家族を支える体制を整える
解説
在宅での看取りを支えるためには、主治医による医学的管理、訪問看護による医療的ケアと症状緩和、介護職員による日常生活支援など、多職種が緊密に連携する体制が不可欠であり、介護支援専門員はその調整役として重要な役割を担う。看取りの方針は本人・家族の意思を最大限尊重しながら、多職種と繰り返し話し合って決定していくことが基本である。

他の選択肢が不適切な理由
「看取り期には介護支援専門員の関与は不要となり医療職のみで対応する」とする記述は誤りで、急な状態の変化に合わせて訪問の回数を組み替え、福祉用具を入れ替えるといった調整が最も必要になる時期である。「家族への支援は看取り後にのみ開始すればよく、看取り前は不要」とする記述も誤りで、看取りの過程を支えること自体が、その後の悲嘆を和らげることにつながる。「介護支援専門員が単独で決定し、本人・家族の意向は参考程度でよい」とする記述も誤りで、どこでどのように最期を迎えるかは本人と家族が決めることである。
問24-8

訪問看護のターミナルケア加算に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①医療機関へ緊急に搬送され、入院中に死亡した場合には原則として算定できない
  • ②算定にあたっては主治医との連携やケア内容の詳細な記録は求められていない
  • ③死亡診断を行った医師と同一の者が訪問看護を行った場合に限り、算定できる
  • ④在宅での死亡のほかにも、搬送後24時間以内の死亡確認があれば算定され得る
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正解 ④在宅での死亡のほかにも、搬送後24時間以内の死亡確認があれば算定され得る
解説
訪問看護のターミナルケア加算は、在宅で死亡した利用者に対する要件を基本としつつ、ターミナルケアを実施していた利用者が医療機関に搬送され24時間以内に死亡が確認された場合など、一定の要件のもとで算定が認められる取り扱いがある。算定にあたっては主治医との連携やターミナルケアに関する計画・記録の整備が前提となる。

他の選択肢が不適切な理由
「医療機関へ緊急に搬送され、入院中に死亡した場合には原則として算定できない」とする記述は、一定の時間内であれば認められるという取り扱いを見落としており、これは最後まで在宅を支えた関わりを評価するためのものである。「主治医との連携やケア内容の詳細な記録は求められていない」とする記述も誤りで、計画と記録の整備が要件とされている。「死亡診断を行った医師と同一の者が訪問看護を行った場合に限り算定できる」とする記述も誤りで、診断を行うのは医師、訪問看護を行うのは看護師であり、そもそも担い手が異なる。
問34-8

人生の最終段階における医療・ケアについて、本人・家族・医療介護従事者があらかじめ話し合いを重ねるプロセスを指す用語として最も適切なものはどれか。

  • ①アドバンス・ケア・プランニング(ACP)
  • ②ケアプランニング・アセスメント(CPA)
  • ③ターミナル・アドヒアランス・プログラム(TAP)
  • ④リビング・サポート・プランニング(LSP)
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正解 ①アドバンス・ケア・プランニング(ACP)
解説
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)とは、本人が望む人生の最終段階における医療やケアについて、本人を中心に家族や医療・介護従事者があらかじめ繰り返し話し合い、その意思決定を共有するプロセスを指す用語である。厚生労働省は愛称として「人生会議」を用いており、本人の意思が確認できなくなった場合に備え、意向を継続的に確認・更新していくことが重要とされる。

他の選択肢が不適切な理由
「ケアプランニング・アセスメント」「ターミナル・アドヒアランス・プログラム」「リビング・サポート・プランニング」は、いずれも実在する制度上の用語ではなく、それらしい語を組み合わせただけの名称である。とくにアドヒアランスは、本人が納得したうえで治療に取り組むことを指す言葉であり、人生の最終段階について繰り返し話し合うという営みとは別の概念である。なお本人の意思は時間とともに変わりうるため、一度決めて書き残せば終わりという性格のものでもない。
問44-8

終末期にある療養者の疼痛緩和のために医療用麻薬を使用する際の留意点として最も適切なものはどれか。

  • ①医療用麻薬の使用は依存を招くため、疼痛の程度にかかわらず可能な限り避ける
  • ②便秘や悪心などの副作用対策とあわせ、疼痛のコントロール状況を継続して観察する
  • ③一度開始した使用量についてはいかなる場合も、病状にかかわらず変更してはならない
  • ④医療用麻薬の使用に関する情報は、本人・家族には共有しないことが望ましい
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正解 ②便秘や悪心などの副作用対策とあわせ、疼痛のコントロール状況を継続して観察する
解説
終末期の疼痛緩和における医療用麻薬の使用では、便秘・悪心・眠気などの副作用への対策を並行して行いながら、疼痛の程度やコントロール状況を継続的に観察し、必要に応じて医師の指示のもとで用量を調整することが重要である。適切に使用すれば依存の心配は限定的であり、本人・家族に対しても効果や副作用について丁寧に説明し不安の軽減を図る。

他の選択肢が不適切な理由
「依存を招くため、疼痛の程度にかかわらず可能な限り避ける」とする記述は誤りで、痛みのある状態に対して適切な量を用いる限り依存が問題となることは少なく、痛みを我慢させるほうが食事や睡眠、意欲を大きく損なう。「一度開始した使用量についてはいかなる場合も変更してはならない」とする記述も誤りで、病状に応じて量を増やしたり別の薬に切り替えたりすることが前提である。「本人・家族には共有しないことが望ましい」とする記述も誤りで、麻薬という言葉への不安を和らげるためにこそ、効果と副作用の説明が欠かせない。
問54-8

利用者が亡くなった後に、関わった多職種でケアの経過を振り返り今後の支援に活かす取り組みを指す用語として最も適切なものはどれか。

  • ①サービス担当者会議
  • ②地域ケア会議
  • ③デスカンファレンス
  • ④退院前カンファレンス
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正解 ③デスカンファレンス
解説
デスカンファレンスとは、利用者が亡くなった後に、主治医、訪問看護師、介護支援専門員、介護職員など関わった多職種が集まり、それまでのケアの経過やかかわりを振り返り、良かった点や課題を共有して今後の支援の質の向上に活かす取り組みである。関係者自身のグリーフケア(悲嘆へのケア)としての意味も持つとされる。

他の選択肢が不適切な理由
「サービス担当者会議」は居宅サービス計画の内容について本人や家族を含む関係者が話し合う場であり、これから提供する支援を決めるためのものである。「地域ケア会議」は個別の事例を通じて地域に共通する課題を見つけ、社会資源の整備や政策へつなげていく場である。「退院前カンファレンス」は入院中に、退院後の生活へ向けて医療機関と在宅の関係者が引き継ぎを行う場である。いずれも支援が続いている段階で開かれるものであり、支援を終えた後に振り返る場ではない。
問64-8

家族を亡くした遺族への「グリーフケア」に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①遺族への支援とは葬儀の手配全般のみを指すもので、心理的な支援は含まれない
  • ②医療・介護従事者が遺族に関わることは業務範囲外であるため行わない
  • ③悲嘆の感情は速やかに解消させることを目標として画一的に働きかける
  • ④死別による悲嘆の過程に寄り添い、遺族の心理的な回復を支える支援を行う
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正解 ④死別による悲嘆の過程に寄り添い、遺族の心理的な回復を支える支援を行う
解説
グリーフケアとは、家族等を亡くした遺族が経験する悲嘆(グリーフ)の過程に寄り添い、その心理的な回復を支える支援を指す。在宅での看取りに関わった訪問看護師や介護支援専門員等が、看取り後の遺族へ声をかけたり相談に応じたりすることも、広い意味でのグリーフケアの一環となり得る。悲嘆の表れ方や時間経過には個人差があるため、画一的な対応ではなく個々に寄り添う姿勢が求められる。

他の選択肢が不適切な理由
「葬儀の手配全般のみを指すもので、心理的な支援は含まれない」とする記述は、悲嘆という言葉が指す中身を取り違えている。「医療・介護従事者が遺族に関わることは業務範囲外であるため行わない」とする記述も適切ではなく、長く関わってきた者だからこそ、その労をねぎらう一言が支えになる。「悲嘆の感情は速やかに解消させることを目標として画一的に働きかける」とする記述も誤りで、悲しむこと自体は自然な反応であり、その表れ方も落ち着くまでの時間も人によって大きく異なる。
問74-8

終末期に現れることのある「死前喘鳴」に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①気道分泌物の貯留で生じるゴロゴロとした呼吸音で、本人の苦痛は少ないとされる
  • ②死前喘鳴という現象は強い呼吸困難感を伴い、本人に耐え難い苦痛を与える症状である
  • ③死前喘鳴が生じた場合はただちに心肺蘇生法を行うことが標準的な対応である
  • ④感染症の徴候であり、抗菌薬の投与のみが唯一の治療対応であることが多い
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正解 ①気道分泌物の貯留で生じるゴロゴロとした呼吸音で、本人の苦痛は少ないとされる
解説
死前喘鳴は、終末期に意識レベルが低下し嚥下反射や咳嗽反射が弱まることで、咽頭や気道に分泌物が貯留し、呼吸のたびにゴロゴロとした音が生じる状態であり、聞いている家族には苦痛に見えることが多いが、本人自身の苦痛は比較的少ないとされる。体位の工夫等で対応することが一般的であり、家族への丁寧な説明が心理的な支援として重要になる。

他の選択肢が不適切な理由
「強い呼吸困難感を伴い、本人に耐え難い苦痛を与える症状」とする記述は誤りで、この時期には意識の水準が下がっており、苦しそうに聞こえるのは主に周囲の受け取り方である。ただし家族の心の負担は大きいため、その旨の説明が欠かせない。「ただちに心肺蘇生法を行うことが標準的な対応」とする記述も誤りで、看取りの方針が共有されている中では望まれる対応ではない。「感染症の徴候であり、抗菌薬の投与のみが唯一の治療対応」とする記述も誤りで、原因は分泌物を飲み込めなくなったことにある。
問84-8

在宅で看取りが行われた場合の死亡診断に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①死亡診断は、医師ではなく警察官のみが行うことができる仕組みである
  • ②生前に診療していた主治医が死後の診察で死亡を確認し診断書を交付できる
  • ③介護支援専門員のみが死亡診断書を単独で作成する権限を有している
  • ④在宅での死亡はすべて、事件性の有無を問わず一律に司法解剖の対象になる
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正解 ②生前に診療していた主治医が死後の診察で死亡を確認し診断書を交付できる
解説
生前に診療を行っていた主治医は、死後に改めて診察を行い、生前の診療に係る傷病に関連する死亡であると判定できる場合には、死亡診断書を交付することができる。ケアマネジャーが日頃から主治医との連携を図り、看取りに向けた情報共有を行っておくことは、円滑な死亡診断や家族の混乱の軽減につながる。異状死が疑われる場合等は別途の対応が必要となる。

他の選択肢が不適切な理由
「医師ではなく警察官のみが行うことができる」とする記述は誤りで、死亡の判定は医学的な行為であり医師が行う。「介護支援専門員のみが死亡診断書を単独で作成する権限を有している」とする記述も誤りで、介護支援専門員にそのような権限はない。「在宅での死亡はすべて、事件性の有無を問わず一律に司法解剖の対象になる」とする記述も誤りで、生前から診療していた医師が経過を把握していれば診断書が交付され、警察が関わるのは死因に不審な点がある場合に限られる。
問94-8

特別養護老人ホーム等における「看取り介護加算」の趣旨として最も適切なものはどれか。

  • ①入所者全員に対し一律に算定される加算であり個別の計画は不要である
  • ②医師による直接の関与を必要とせず、介護職員のみの判断で看取りケアを実施する
  • ③医師等と連携した看取り計画に基づき、終末期のケアを提供したことを評価する
  • ④看取りに関する加算は、入所者本人の意思確認を必須の前提としていない
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正解 ③医師等と連携した看取り計画に基づき、終末期のケアを提供したことを評価する
解説
看取り介護加算は、医師、看護職員、介護職員等が共同で作成した看取りに関する指針や計画に基づき、本人・家族の意思を確認しながら終末期における身体的・精神的な援助を行ったことを評価する加算である。全入所者に一律算定されるものではなく、個別の状態評価や意思確認、多職種による計画的な対応が算定の前提となる。

他の選択肢が不適切な理由
「入所者全員に対し一律に算定される加算であり個別の計画は不要」とする記述は誤りで、その人の状態と意思に沿って立てられた計画に基づいて関わったことが評価される。「医師による直接の関与を必要とせず、介護職員のみの判断で看取りケアを実施する」とする記述も誤りで、医学的に回復が見込めない段階に至っているという判断は医師が行う。「入所者本人の意思確認を必須の前提としていない」とする記述も誤りで、本人と家族の意思を確かめながら進めることがこの加算の土台にある。
問104-8

看取り期にある利用者の家族への支援に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①家族の不安や疑問には対応せず、本人へのケアのみに専念するべきである
  • ②家族には状態の変化を知らせず、変化が生じてから初めて連絡すればよい
  • ③家族の意向は看取りの過程においても変化しないため、一度確認すれば十分である
  • ④状態変化を丁寧に説明し、家族の不安に寄り添い意思決定を継続的に支援する
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正解 ④状態変化を丁寧に説明し、家族の不安に寄り添い意思決定を継続的に支援する
解説
看取り期にある利用者の家族は、大切な人を失う不安や喪失感、介護への疲労などさまざまな心理的負担を抱えていることが多い。介護支援専門員や医療・介護従事者は、本人の状態の変化を分かりやすく丁寧に説明し、家族の不安な思いに寄り添いながら、意思は変化し得るものであることを踏まえて繰り返し確認し、継続的に意思決定を支援していくことが求められる。

他の選択肢が不適切な理由
「家族の不安や疑問には対応せず、本人へのケアのみに専念するべき」とする記述は誤りで、支える家族が不安を抱えたままでは在宅での看取りそのものが続かない。「家族には状態の変化を知らせず、変化が生じてから初めて連絡すればよい」とする記述も誤りで、これから起こりうる変化をあらかじめ伝えておくことが、いざというときの混乱を防ぎ、あわてて救急要請をして本人の希望と異なる結果になることを避ける。「一度確認すれば十分」とする記述も誤りで、家族の気持ちは経過とともに揺れ動く。

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