2026年版・4-5

薬剤管理と服薬支援の一問一答

介護支援専門員試験「保健医療サービスの知識等②(在宅医療管理とサービス各論)」から、薬剤管理と服薬支援に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-5

高齢者に多く見られる「ポリファーマシー」に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①薬剤数の多さだけでなく、それに関連して薬物有害事象等が生じている状態を指す
  • ②処方される薬剤の種類や服用量にかかわらず、治療上望ましい状態を指す
  • ③一種類の薬剤であっても何かしらの副作用が生じればポリファーマシーと呼ばれる
  • ④医師の処方によらない市販薬(OTC医薬品)の使用のみを指す用語である
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正解 ①薬剤数の多さだけでなく、それに関連して薬物有害事象等が生じている状態を指す
解説
ポリファーマシーとは、単に服用する薬剤数が多いこと自体を指すのではなく、多剤服用に関連して副作用のリスク増加や服薬過誤、服薬アドヒアランスの低下といった問題が生じている状態を指す概念である。何剤以上という一律の定義はなく、個々の療養者の状態を踏まえて薬剤の必要性を評価し、処方の適正化を図ることが重要とされる。

他の選択肢が不適切な理由
「処方される薬剤の種類や服用量にかかわらず、治療上望ましい状態を指す」とする記述は、この語が問題として捉えられている状態を指すことと正反対である。「一種類の薬剤であっても何かしらの副作用が生じればポリファーマシーと呼ばれる」とする記述も誤りで、複数の薬が重なることによって生じる問題を指す言葉である。「医師の処方によらない市販薬の使用のみを指す」とする記述も誤りで、処方薬に市販薬やサプリメントが重なる場合も含めて全体を見ることが求められる。
問24-5

複数の薬剤を服用している高齢者に対する服薬支援の工夫として「一包化」の説明で最も適切なものはどれか。

  • ①服薬時点が異なる薬剤も含めてすべて同一の袋にまとめて保管する方法である
  • ②同一の服薬時点に服用する複数の薬剤を1回分ずつ一つの袋にまとめる方法である
  • ③一包化は医師の指示がなくても薬局の判断のみで自由に実施できる方法である
  • ④一包化を行うと薬剤の飲み忘れがかえって増加してしまう可能性がある方法である
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正解 ②同一の服薬時点に服用する複数の薬剤を1回分ずつ一つの袋にまとめる方法である
解説
一包化とは、同一の服用時点(例:朝食後)に服用する複数の薬剤を1回分ずつまとめて一つの袋に調剤する方法で、飲み忘れや飲み間違いの防止に有効な服薬支援の工夫の一つである。実施にあたっては医師の了解や薬剤師による適否の確認が必要であり、認知機能や手指の巧緻性が低下した高齢者の服薬管理を支える方法として広く活用されている。

他の選択肢が不適切な理由
「服薬時点が異なる薬剤も含めてすべて同一の袋にまとめて保管する」とする記述は誤りで、朝と夕の薬を一緒にしてしまえば、かえって飲み間違いを招く。まとめるのは同じ時点に飲む分だけである。「医師の指示がなくても薬局の判断のみで自由に実施できる」とする記述も誤りで、湿気に弱い薬や飲む量を細かく調整する薬など、まとめてはいけないものがあるため、医師の了解と薬剤師による確認を経て行われる。「飲み忘れがかえって増加してしまう」とする記述も向きが逆である。
問34-5

2024年度介護報酬改定における薬剤師の居宅療養管理指導の見直しに関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①オンラインでの服薬指導は、現行の介護保険制度上においても認められていない
  • ②情報通信機器を用いた指導は、2回目以降でなければ算定できないとされた
  • ③オンライン服薬指導の見直しを踏まえ機器を用いた指導が初回から可能とされた
  • ④情報通信機器を用いた指導は訪問診療を受けている患者のみを対象とされた
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正解 ③オンライン服薬指導の見直しを踏まえ機器を用いた指導が初回から可能とされた
解説
2024年度介護報酬改定では、医薬品医療機器等法上のオンライン服薬指導に係るルールの見直しを踏まえ、薬剤師が行う情報通信機器を用いた居宅療養管理指導について、従来求められていた対面での実施を経ることなく初回から算定できるようになった。また訪問診療を受けている患者に限らず、訪問診療以外の処方箋にも対応できるよう対象が拡大された。

他の選択肢が不適切な理由
「オンラインでの服薬指導は、現行の介護保険制度上においても認められていない」とする記述は誤りで、法令上の取り扱いの見直しに合わせて介護保険にも位置づけられている。「2回目以降でなければ算定できないとされた」とする記述は改定の向きが逆で、まず対面で行うという要件が外され、初回から用いることができるようになった。「訪問診療を受けている患者のみを対象とされた」とする記述も誤りで、対象はむしろ広げられており、通院している人の処方箋にも対応できる。
問44-5

在宅で医療用麻薬(オピオイド)を使用している療養者への支援に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①副作用として便秘が生じることはまれであり特段の対策は不要である
  • ②症状が改善しても家族だけの判断で自由に増減量してよいと理解する
  • ③使用済みの製剤や残薬は家庭ごみとしてすべて自由に廃棄してよいと理解する
  • ④便秘などの副作用対策とあわせ、残薬や空アンプル等の管理を厳重に行う
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正解 ④便秘などの副作用対策とあわせ、残薬や空アンプル等の管理を厳重に行う
解説
医療用麻薬は疼痛緩和に有効である一方、便秘・悪心・眠気などの副作用対策を並行して行う必要があり、また麻薬及び向精神薬取締法に基づき、施用残薬や空になったアンプル・パッチ等の返却・廃棄方法についても厳重な管理が求められる。増減量は医師の指示によるものであり、家族や本人の判断で自由に変更することはできない。

他の選択肢が不適切な理由
「副作用として便秘が生じることはまれであり特段の対策は不要」とする記述は誤りで、腸の動きが抑えられるため便秘はほぼ避けられず、初めから下剤を併せて用いることが多い。「症状が改善しても家族だけの判断で自由に増減量してよい」とする記述も誤りで、急に減らせば痛みが戻るだけでなく体に負担のかかる症状も生じうるため、必ず医師の指示によって調整する。「使用済みの製剤や残薬は家庭ごみとしてすべて自由に廃棄してよい」とする記述も誤りで、法律に基づき、医療機関や薬局へ返却するなどの厳重な取り扱いが求められる。
問54-5

インスリン自己注射を行っている在宅療養者への支援に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①低血糖症状の理解と対応方法について、本人・家族への説明を行うことが重要である
  • ②インスリンの単位数は本人の体調のみにも応じて自己判断で調整してよいと理解する
  • ③注射部位は毎回ほぼ同一の部位に固定して行うことが望ましいと理解する
  • ④低血糖が生じても意識さえあれば医療機関への連絡は不要であると理解する
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正解 ①低血糖症状の理解と対応方法について、本人・家族への説明を行うことが重要である
解説
インスリン自己注射を行う療養者やその家族に対しては、低血糖症状(冷汗・動悸・手指の震え・意識レベルの低下等)の理解と、ブドウ糖摂取などの初期対応、症状が改善しない場合の医療機関への連絡方法について十分に説明することが重要である。インスリンの単位数は医師の指示に基づき、注射部位は皮下組織の硬結を防ぐため毎回少しずつずらして行う必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
「単位数は本人の体調のみにも応じて自己判断で調整してよい」とする記述は誤りで、量を誤れば低血糖にも高血糖にも直結するため、変更は医師の指示によって行う。「注射部位は毎回ほぼ同一の部位に固定して行うことが望ましい」とする記述も誤りで、同じ場所を繰り返し使うと皮下が硬くなり、そこからは薬が吸収されにくくなって効き方が不安定になるため、少しずつずらしていく。「低血糖が生じても意識さえあれば医療機関への連絡は不要」とする記述も誤りで、糖を摂っても改善しない場合や繰り返す場合は、量そのものの見直しが必要となる。
問64-5

「お薬手帳」の役割に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①一つの医療機関でのみ使用でき、複数の医療機関・薬局間では共有できない
  • ②服薬している薬剤情報を一元的に管理し、重複投薬や相互作用の確認に役立てる
  • ③介護支援専門員のみが記載・管理し、本人や薬剤師は関与しない仕組みである
  • ④医療保険上の給付要件そのものであり、提示がなければ調剤を受けられないものである
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正解 ②服薬している薬剤情報を一元的に管理し、重複投薬や相互作用の確認に役立てる
解説
お薬手帳は、複数の医療機関や薬局を利用する場合でも服薬している薬剤の情報を一元的・継続的に把握できるようにするための手帳で、重複投薬や相互作用のチェック、副作用歴の確認などに活用される。本人や家族、薬剤師、医療機関等の関係者が情報を共有できる点に意義があり、緊急時にも服薬状況を伝える手段として役立つ。

他の選択肢が不適切な理由
「一つの医療機関でのみ使用でき、複数の医療機関・薬局間では共有できない」とする記述は、複数の診療科から出た薬の重なりを見つけるという最大の役割を失わせる。「介護支援専門員のみが記載・管理し、本人や薬剤師は関与しない」とする記述も誤りで、記載の中心を担うのは薬剤師であり、手帳を持ち歩いて提示するのは本人や家族である。「提示がなければ調剤を受けられない」とする記述も誤りで、持参が望ましいことは確かだが、なければ薬を受け取れないという性質のものではない。
問74-5

抗凝固薬(ワルファリン等)を服用している高齢者への生活支援に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①出血傾向に関する観察は不要であり、服薬さえしていれば問題ないとする
  • ②納豆やクロレラなど服薬に影響し得る食品の情報は特には共有する必要はない
  • ③皮下出血や歯肉出血などの出血傾向の有無を日常的に観察し異常時は連絡する
  • ④服用を自己判断で完全に中止しても特に問題は生じないと理解して支援する
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正解 ③皮下出血や歯肉出血などの出血傾向の有無を日常的に観察し異常時は連絡する
解説
ワルファリン等の抗凝固薬は治療域が狭く、過量では出血傾向、不足では血栓症のリスクが高まるハイリスク薬であり、皮下出血・歯肉出血・血尿等の出血徴候を日常的に観察し、異常時に速やかに医療機関へ連絡できる体制を整えることが重要である。また薬効に影響する納豆等のビタミンK含有食品についての情報共有も欠かせない。自己判断での中断は危険であり避けるべきである。

他の選択肢が不適切な理由
「出血傾向に関する観察は不要」とする記述は誤りで、効きすぎているかどうかは検査値だけでなく、あざや歯ぐきからの出血といった日々の変化に表れる。「納豆やクロレラなど服薬に影響し得る食品の情報は特には共有する必要はない」とする記述も誤りで、ビタミンKを多く含む食品はこの薬の働きを打ち消してしまうため、食事を用意する家族や訪問介護員にも伝わっている必要がある。「自己判断で完全に中止しても特に問題は生じない」とする記述も誤りで、中断は血栓による脳梗塞の危険を高める。
問84-5

認知機能の低下がみられる高齢者への服薬支援の工夫として最も適切なものはどれか。

  • ①服薬状況の確認は本人に完全に任せ、家族や関係者は関与しないようにする
  • ②服薬カレンダーやピルケースの使用は混乱を招くため避けるべきである
  • ③薬剤の種類や服用回数を増やすことで服薬管理を確実にするよう努める
  • ④服薬カレンダー等の視覚的な工夫を用い、家族や関係者と状況を共有する
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正解 ④服薬カレンダー等の視覚的な工夫を用い、家族や関係者と状況を共有する
解説
認知機能が低下した高齢者に対しては、服薬カレンダーやピルケースなど視覚的に分かりやすい工夫を活用し、飲み忘れ・飲み過ぎを防止することが有効である。あわせて家族や訪問介護員、訪問看護師等の関係者が服薬状況を共有し、必要に応じて声かけや確認を行う体制を整えることが望ましい。薬剤数・回数はできる限り簡素化する方向で医師・薬剤師と調整することが望ましい。

他の選択肢が不適切な理由
「服薬状況の確認は本人に完全に任せ、家族や関係者は関与しない」とする記述は、覚えておくことや段取りを組むことが難しくなっているという前提と食い違う。「服薬カレンダーやピルケースの使用は混乱を招くため避けるべき」とする記述も誤りで、いつ飲む分がどこにあるかを目で見て分かるようにすることは、記憶に頼らずに済ませるための工夫である。「薬剤の種類や服用回数を増やすことで服薬管理を確実にする」とする記述は向きが逆で、簡素にするほど飲み忘れは減る。
問94-5

介護支援専門員が薬剤管理に問題を抱える利用者について薬剤師と連携する意義として最も適切なものはどれか。

  • ①薬学的な専門知識を活かした処方確認や服薬支援の工夫の助言を得られる
  • ②薬剤師に居宅サービス計画の作成そのものを全て委ねることができる
  • ③薬剤師との連携があることによって主治医への情報提供自体が不要にもなる
  • ④薬剤師は在宅を訪問することができず、電話相談のみに限られる
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正解 ①薬学的な専門知識を活かした処方確認や服薬支援の工夫の助言を得られる
解説
介護支援専門員は医薬品の専門家ではないため、多剤服用や副作用が疑われる状況などでは薬剤師と連携し、処方内容の確認、相互作用のチェック、一包化や服薬カレンダー活用などの工夫について専門的な助言を得ることが有効である。薬剤師は居宅療養管理指導等により居宅を訪問することも可能であり、主治医への情報提供とあわせて多職種連携の一翼を担う。

他の選択肢が不適切な理由
「居宅サービス計画の作成そのものを全て委ねることができる」とする記述は誤りで、生活全体を見渡して計画をまとめるのは介護支援専門員の役割であり、他の職種に移せるものではない。「連携があることによって主治医への情報提供自体が不要にもなる」とする記述も誤りで、処方を決めるのは医師であるため、気づいたことは医師にも届いている必要がある。「薬剤師は在宅を訪問することができず、電話相談のみに限られる」とする記述も誤りで、居宅療養管理指導として実際に居宅を訪問し、保管の状況や残薬まで確認することができる。
問104-5

高齢者の在宅における「残薬」への対応として最も適切なものはどれか。

  • ①残薬の存在は服薬アドヒアランスとは無関係であるため確認は不要である
  • ②残薬の状況を確認し、原因を踏まえて処方や服薬方法の見直しにつなげる
  • ③残薬が生じた場合は、次回受診まで自己判断で服薬量を増やして調整させる
  • ④残薬は廃棄し、原因を確認せず新たに同一内容の薬剤を処方してもらう
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正解 ②残薬の状況を確認し、原因を踏まえて処方や服薬方法の見直しにつなげる
解説
残薬は、飲み忘れや副作用への不安、服薬の複雑さなど様々な原因で生じるため、単に廃棄するのではなく、その状況と原因を把握し、医師・薬剤師と連携して処方内容の簡素化や服薬方法の工夫(一包化、服薬カレンダー等)につなげることが重要である。残薬を放置すると、次回受診時の処方判断を誤らせたり、症状コントロールに悪影響を及ぼす可能性がある。

他の選択肢が不適切な理由
「残薬の存在は服薬アドヒアランスとは無関係であるため確認は不要」とする記述は誤りで、残っている量そのものが、指示どおりに飲めていないことを示す最も分かりやすい手がかりである。「自己判断で服薬量を増やして調整させる」とする記述も誤りで、まとめて飲めば過量による副作用を招く。「原因を確認せず新たに同一内容の薬剤を処方してもらう」とする記述も適切ではなく、同じ処方を繰り返せば残薬はさらに積み上がり、医療費の無駄にもつながる。

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