2026年版・4-2

リハビリテーションの基礎知識の一問一答

介護支援専門員試験「保健医療サービスの知識等②(在宅医療管理とサービス各論)」から、リハビリテーションの基礎知識に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-2

国際生活機能分類(ICF)における「生活機能」を構成する3つの要素の組み合わせとして正しいものはどれか。

  • ①疾病、障害、環境因子
  • ②個人因子、環境因子、社会資源
  • ③心身機能・身体構造、活動、参加
  • ④医学的診断、機能訓練、社会復帰
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正解 ③心身機能・身体構造、活動、参加
解説
ICF(国際生活機能分類)は、人の生活機能を「心身機能・身体構造」「活動」「参加」の3要素で捉え、それに影響する背景因子として「環境因子」と「個人因子」を位置づける包括的な分類である。従来の障害を欠陥として捉える視点から、生活機能というプラス面に着目し、環境調整によって参加を高めるという考え方への転換を示した点が重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「疾病、障害、環境因子」とする記述は、生活機能というプラスの面ではなく、失われた部分に着目する従来の見方に戻ってしまっている。「個人因子、環境因子、社会資源」とする記述は、生活機能そのものではなく、それに影響を与える背景の側を並べたものである。「医学的診断、機能訓練、社会復帰」とする記述は、支援の手順や場面を並べたものであり、人の生活のありようを分類する枠組みにはあたらない。
問24-2

高齢者に生じる「廃用症候群」に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①過度な運動を継続したことにより関節や筋肉に炎症が生じる病態を指す
  • ②加齢に伴い避けられない疾患であり、活動量の調整では予防できない病態を指す
  • ③特定の感染症への罹患によって二次的に筋力が低下する病態のみを指す
  • ④安静や不活動状態が長期間続くことで心身の機能が全般的に低下する病態を指す
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正解 ④安静や不活動状態が長期間続くことで心身の機能が全般的に低下する病態を指す
解説
廃用症候群とは、けがや病気の療養、過度な安静などにより身体を動かさない状態が続くことで、筋力低下・関節拘縮・起立性低血圧・認知機能低下など心身の機能が全般的に低下する状態を指す。加齢そのものによる不可避な変化ではなく、早期離床や活動性の維持によって予防・改善が可能であるため、リハビリテーションや日常的な活動支援が重要となる。

他の選択肢が不適切な理由
「過度な運動を継続したことにより関節や筋肉に炎症が生じる」とする記述は向きが逆で、原因は使いすぎではなく使わないことにある。「加齢に伴い避けられない疾患であり、活動量の調整では予防できない」とする記述も誤りで、早く起きて動き始めることによって防げる点にこそ、この考え方の意義がある。「特定の感染症への罹患によって二次的に筋力が低下する病態のみを指す」とする記述も誤りで、きっかけは骨折や手術、入院などさまざまであり、影響も筋力にとどまらず関節や循環、意欲にまで及ぶ。
問34-2

日常生活動作(ADL)の自立度を点数化して評価する尺度として広く用いられる「バーセル指数」に関する記述として正しいものはどれか。

  • ①食事、移乗、整容、排泄など基本的なADL項目を点数化して評価する
  • ②買い物や電話の使用など手段的日常生活動作(IADL)のみを評価する
  • ③認知機能の低下の程度を数値化して評価するために用いられる尺度である
  • ④在宅酸素療法の適応の可否を判定するために用いられる指標である
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正解 ①食事、移乗、整容、排泄など基本的なADL項目を点数化して評価する
解説
バーセル指数(Barthel Index)は、食事・移乗・整容・トイレ動作・入浴・歩行・階段昇降・更衣・排便コントロール・排尿コントロールといった基本的日常生活動作(ADL)を点数化し、自立度を評価する代表的な尺度である。買い物や電話などの手段的日常生活動作(IADL)や認知機能の評価には別の尺度が用いられ、在宅酸素療法の適応判定とは無関係である。

他の選択肢が不適切な理由
「買い物や電話の使用など手段的日常生活動作のみを評価する」とする記述は、この尺度が対象としているのが食事や移乗といった、より基本的な動作である点と食い違う。「認知機能の低下の程度を数値化して評価する」とする記述も誤りで、評価するのは考える力ではなく、実際に身の回りのことをどれだけ自分でできるかである。「在宅酸素療法の適応の可否を判定するために用いられる」とする記述も誤りで、その判定は血液中の酸素の値によって行われる。
問44-2

「FIM(機能的自立度評価法)」の特徴に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①運動項目のみで構成されており、認知に関する項目は含まれてはいない
  • ②運動項目に加え、コミュニケーションや社会的認知など認知項目も評価する
  • ③評価はできる・できないという2段階のみで判定される簡易な尺度である
  • ④医師のみが実施可能であり、他の専門職は評価にも関与できない尺度である
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正解 ②運動項目に加え、コミュニケーションや社会的認知など認知項目も評価する
解説
FIM(Functional Independence Measure)は、移動や排泄などの運動項目に加え、理解・表出などのコミュニケーション、社会的交流・問題解決・記憶などの社会的認知項目も含めて評価する点が特徴で、7段階で自立度を採点する。バーセル指数に比べ、より細かく実際の介助量を反映できるとされ、医師に限らず看護師や療法士など多職種が評価に関わる。

他の選択肢が不適切な理由
「運動項目のみで構成されており、認知に関する項目は含まれない」とする記述は、この尺度が持つ特徴をそのまま否定するものである。「できる・できないという2段階のみで判定される」とする記述も誤りで、どの程度手を貸したかを段階的に採点することで、介助の量の変化を細かく捉えられる。「医師のみが実施可能であり、他の専門職は評価にも関与できない」とする記述も誤りで、日々関わる多職種が同じ物差しで評価を共有できることに意味がある。
問54-2

理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の役割の違いに関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①PTは嚥下機能の訓練を、OTは歩行など基本動作の訓練を専門的にのみ担う
  • ②STは全身の関節可動域や筋力の維持・改善訓練を専門的に担う
  • ③PTは基本動作、OTは応用動作、STは言語・嚥下機能の訓練を主に担う
  • ④PT・OT・STはいずれも同一の訓練内容を役割分担なく担う
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正解 ③PTは基本動作、OTは応用動作、STは言語・嚥下機能の訓練を主に担う
解説
理学療法士(PT)は起立・歩行など基本動作能力の回復を、作業療法士(OT)は食事・更衣などの応用的動作や社会適応能力の回復を、言語聴覚士(ST)は言語機能や嚥下機能の評価・訓練を主に担う。それぞれ専門性が異なり、多職種が連携してリハビリテーションを実施することで、利用者の生活機能全体の向上を図ることが求められる。

他の選択肢が不適切な理由
「PTは嚥下機能の訓練を、OTは歩行など基本動作の訓練を専門的にのみ担う」とする記述は、担当する領域を入れ替えたうえに、嚥下を主に担う言語聴覚士の役割まで取り違えている。「STは全身の関節可動域や筋力の維持・改善訓練を専門的に担う」とする記述も誤りで、それは主に理学療法士が担う領域である。「いずれも同一の訓練内容を役割分担なく担う」とする記述も誤りで、それぞれの専門性が異なるからこそ、必要な職種を計画に位置づける意味がある。
問64-2

関節拘縮の予防・改善を目的とした関節可動域(ROM)訓練に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①痛みを感じても運動範囲の拡大を優先し無理に動かし続けることが望ましい
  • ②拘縮が完全に完成してからの方が可動域の改善効果が高いため急ぐ必要はない
  • ③一度実施すれば十分な効果が持続するため、日常的な継続は不要である
  • ④痛みのない範囲で他動的・自動的に関節を動かし、継続することが重要である
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正解 ④痛みのない範囲で他動的・自動的に関節を動かし、継続することが重要である
解説
関節可動域訓練は、関節を痛みのない範囲で他動的(介助による)または自動的(自分で)に動かすことで、拘縮の予防・改善を図るものである。無理な力での実施は組織損傷のリスクを高めるため避け、拘縮が進行する前からの早期かつ日常的・継続的な実施が効果的とされる。1回限りの実施では効果が持続しないため、生活の中での継続が重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「痛みを感じても運動範囲の拡大を優先し無理に動かし続ける」とする記述は誤りで、強い力を加えれば筋や腱を傷め、痛みへの恐れから本人が動かすことを避けるようになる。「拘縮が完全に完成してからの方が改善効果が高い」とする記述は向きが逆で、いったん固まってしまえば元に戻すことは難しく、固まる前から始めることに意味がある。「一度実施すれば十分な効果が持続する」とする記述も誤りで、関節は動かさなければ再び硬くなるため、日々の生活の中で続けることが要となる。
問74-2

摂食嚥下の過程を段階的に捉える「摂食嚥下の5期モデル」に含まれない時期はどれか。

  • ①排泄期
  • ②準備期
  • ③咽頭期
  • ④食道期
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正解 ①排泄期
解説
摂食嚥下の過程は一般に、食物を認識する「先行期」、口腔内で咀嚼し食塊を形成する「準備期」、食塊を咽頭へ送る「口腔期」、嚥下反射により咽頭から食道へ送る「咽頭期」、食道の蠕動運動で胃へ送る「食道期」の5期に分けて捉えられる。「排泄期」はこのモデルに含まれない用語であり、摂食嚥下障害のアセスメントでは、どの段階に問題があるかを見極めることが支援の出発点となる。

他の選択肢が不適切な理由
「準備期」は口の中で噛みくだき飲み込みやすいひとかたまりにまとめる段階、「咽頭期」は反射によってのどから食道へ送り込む段階、「食道期」は食道の動きによって胃まで運ぶ段階であり、いずれもこのモデルを構成する時期そのものである。含まれないものを選ぶ問いであるため、実際に含まれるこれらを選ぶことはできない。なお排泄は消化と吸収を終えた後の過程であり、食べ物を口から胃へ運ぶ一連の流れには含まれない。
問84-2

脳血管疾患後などに生じる「高次脳機能障害」に含まれる症状として最も適切なものはどれか。

  • ①関節の可動域が狭くなってしまう関節拘縮
  • ②新しい出来事を覚えられなくなる記憶障害
  • ③皮膚に生じる褥瘡などの慢性的な皮膚障害
  • ④心臓のポンプ機能が低下する心不全
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正解 ②新しい出来事を覚えられなくなる記憶障害
解説
高次脳機能障害とは、脳血管疾患や頭部外傷などにより脳が損傷を受けた結果生じる、記憶障害・注意障害・遂行機能障害・社会的行動障害・失語などの認知機能の障害を指す。関節拘縮や褥瘡、心不全は身体機能や身体状態に関する障害・疾患であり、高次脳機能障害には含まれない。外見からは分かりにくいため「見えにくい障害」とも言われ、周囲の理解と支援が重要になる。

他の選択肢が不適切な理由
「関節の可動域が狭くなってしまう関節拘縮」は関節そのものが硬くなる状態、「皮膚に生じる褥瘡などの慢性的な皮膚障害」は圧迫によって皮膚とその下の組織が損なわれた状態、「心臓のポンプ機能が低下する心不全」は血液を送り出す力の低下であり、いずれも体の側に生じた変化である。これらが脳血管疾患の後に併せて起こることはあるが、脳が損傷を受けたことによって考える力や行動の調整に支障が生じるという、この障害の中身にはあたらない。
問94-2

介護保険制度が目指す「自立支援」の考え方として最も適切なものはどれか。

  • ①本人ができることも含め、全ての生活行為を介護者が代行すること
  • ②心身機能の改善のみを目的とし、生活環境の調整は考慮しないこと
  • ③本人の残存能力を活かし、自らの力で生活できるよう支援すること
  • ④リハビリテーションの実施回数を増やすことのみを目的とすること
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正解 ③本人の残存能力を活かし、自らの力で生活できるよう支援すること
解説
介護保険制度における自立支援とは、要介護者等の残存能力を最大限に活かし、心身機能の維持・改善だけでなく、活動や参加を含めた生活全体の中でできる限り自らの力で暮らせるよう支援するという考え方である。何でも介護者が代行することは本人の能力低下を招きかねず、リハビリの回数増加のみを目的化することも自立支援の本質とは異なる。

他の選択肢が不適切な理由
「本人ができることも含め、全ての生活行為を介護者が代行する」とする記述は、使わない力が失われていくという点で、かえって状態の悪化を招く。「心身機能の改善のみを目的とし、生活環境の調整は考慮しない」とする記述も誤りで、手すりの設置や段差の解消といった環境の側を変えることでできるようになる行為は多く、そこに介護保険が住宅改修や福祉用具を位置づけている理由がある。「実施回数を増やすことのみを目的とする」とする記述も誤りで、回数は手段であって目的ではない。
問104-2

2024年度介護報酬改定で強調された、リハビリテーション・口腔・栄養に関する考え方として最も適切なものはどれか。

  • ①リハビリテーションと口腔管理は独立して評価すべきで栄養状態とは関連づけない
  • ②栄養状態の改善のみを重視し、リハビリテーションや口腔管理は付随的な位置づけとする
  • ③口腔機能の管理を最優先とし、リハビリテーションや栄養管理は必要に応じて実施すればよい
  • ④リハビリテーション・口腔・栄養を一体的に捉え、多職種で連携して自立支援を推進する
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正解 ④リハビリテーション・口腔・栄養を一体的に捉え、多職種で連携して自立支援を推進する
解説
2024年度介護報酬改定では、リハビリテーション、口腔管理、栄養管理は互いに密接に関連し合うものとして一体的に捉え、医師・歯科医師・管理栄養士・リハビリ専門職等の多職種が情報を共有しながら連携して取り組むことで、利用者の自立支援・重度化防止をより効果的に進める方針が示された。個別分野を切り離して評価する従来の発想からの転換が図られている。

他の選択肢が不適切な理由
「独立して評価すべきで栄養状態とは関連づけない」とする記述は、この改定が改めようとした従来の見方そのものである。噛んで飲み込む力が落ちれば栄養が不足し、栄養が不足すれば体を動かす訓練の効果も上がらないという結びつきがある。「栄養状態の改善のみを重視し」「口腔機能の管理を最優先とし」とする記述も、いずれか一つを上に置くもので、三つが互いを支え合うという一体的な捉え方と合わない。

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