2026年版・4-1

在宅医療管理(在宅酸素・褥瘡管理等)の一問一答

介護支援専門員試験「保健医療サービスの知識等②(在宅医療管理とサービス各論)」から、在宅医療管理(在宅酸素・褥瘡管理等)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-1

在宅酸素療法(HOT)の医療保険上の適応基準として正しいものはどれか。

  • ①安静時のPaO2が55Torr以下、または60Torr以下で睡眠時・運動時に著しい低酸素血症を来す場合
  • ②安静時のPaO2が70Torr以下、または80Torr以下で睡眠時・運動時に軽度の低酸素血症を来す場合
  • ③安静時のSpO2が90%以下、または93%以下程度で睡眠時・運動時に著しい低酸素血症を来す場合
  • ④PaCO2が55Torr以上、または60Torr以上で睡眠時・運動時に著しい高炭酸ガス血症を来す場合
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正解 ①安静時のPaO2が55Torr以下、または60Torr以下で睡眠時・運動時に著しい低酸素血症を来す場合
解説
在宅酸素療法(HOT)の保険適用基準は、動脈血酸素分圧(PaO2)を用いて判定される。安静時のPaO2が55Torr以下の場合、またはPaO2が60Torr以下で睡眠時や運動負荷時に著しい低酸素血症をきたす場合に、医師が必要と認めたときに適応となる。血中酸素飽和度(SpO2)や二酸化炭素分圧(PaCO2)を基準とする選択肢は実際の適応基準とは異なるため誤りである。

他の選択肢が不適切な理由
「PaO2が70Torr以下、または80Torr以下」とする記述は基準の数値が実際より高く、この水準では酸素の不足が問題となる段階に達していない。「軽度の低酸素血症」で足りるとしている点でも実際の要件より緩い。「SpO2が90%以下」とする記述は、指先で簡便に測れる値を判定の基準に置き換えたもので、実際の判定は動脈から採血して測る酸素分圧によって行われる。「PaCO2が55Torr以上」とする記述は、酸素が足りているかではなく二酸化炭素がたまっているかを見る指標であり、着目している対象そのものが異なる。
問24-1

在宅酸素療法(HOT)を利用する療養者への生活指導として、最も適切なものはどれか。

  • ①酸素流量は療養者本人の体調や活動状況に応じて自由に増減してよいと指導する
  • ②酸素濃縮器やボンベの周囲では喫煙や裸火の使用を徹底して避けるよう指導する
  • ③加湿器の水は雑菌が繁殖しないため毎日交換しなくてよいと指導する
  • ④携帯用酸素ボンベは残量を気にせず外出時も自由に使ってよいと指導する
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正解 ②酸素濃縮器やボンベの周囲では喫煙や裸火の使用を徹底して避けるよう指導する
解説
酸素は燃焼を助ける支燃性のガスであり、酸素吸入中に近くで喫煙や裸火があると火災の危険が非常に高い。酸素濃縮器・酸素ボンベの使用中は、療養者本人だけでなく同居家族や訪問者にも火気厳禁を徹底する必要がある。酸素流量は医師の指示量を厳守し自己判断で変更してはならず、加湿器の水は雑菌繁殖防止のため毎日交換し、携帯用酸素ボンベは残量を必ず確認して外出計画を立てる。

他の選択肢が不適切な理由
「酸素流量は本人の体調や活動状況に応じて自由に増減してよい」とする記述は誤りで、慢性的に二酸化炭素がたまりやすい人では酸素を増やしすぎることでかえって呼吸が弱まる危険があるため、医師の指示した流量を守る必要がある。「加湿器の水は雑菌が繁殖しないため毎日交換しなくてよい」とする記述も誤りで、ぬるい水では細菌が増えやすく、その空気を直接吸い込むことになる。「残量を気にせず外出時も自由に使ってよい」とする記述も誤りで、外出先で酸素が尽きれば命に関わる。
問34-1

仰臥位(あお向け)で長時間過ごす療養者に褥瘡が最も発生しやすい部位はどれか。

  • ①大転子部
  • ②耳介部
  • ③仙骨部
  • ④肩峰部
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正解 ③仙骨部
解説
褥瘡は骨が突出し体重がかかりやすい部位に好発する。仰臥位では体重が背部に集中するため、仙骨部が最も好発部位となる。大転子部や耳介部は側臥位(横向き)で圧迫を受けやすい部位であり、肩峰部は側臥位や座位で圧迫されやすい。体位によって好発部位が異なることを理解し、体位変換の際に重点的に観察することが大切である。

他の選択肢が不適切な理由
「大転子部」は太ももの付け根の外側にある骨の出っ張りで、横向きに寝たときに体重が集中する部位であり、あお向けでは床面に触れない。「耳介部」も横向きで頭の重みが直接かかる場所であり、枕の硬さや向きが影響する。「肩峰部」は肩の先端にあたり、横向きの姿勢や、ずり落ちた座位で背もたれに強く当たるときに問題となる。いずれも褥瘡の好発部位ではあるが、体重が背中側の一点に集まるあお向けの姿勢で最も危険が高まる部位ではない。
問44-1

褥瘡の重症度と治癒過程を評価するために用いられる「DESIGN-R®」の評価項目に含まれないものはどれか。

  • ①滲出液の量
  • ②肉芽組織の状態
  • ③創の大きさ
  • ④血圧の数値
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正解 ④血圧の数値
解説
DESIGN-R®は日本褥瘡学会が開発した褥瘡状態判定スケールで、Depth(深さ)、Exudate(滲出液)、Size(大きさ)、Inflammation/Infection(炎症・感染)、Granulation(肉芽組織)、Necrotic tissue(壊死組織)、Pocket(ポケット)の7項目で構成される。血圧はDESIGN-R®の評価項目には含まれず、全身状態の把握には別途バイタルサイン測定が必要である。

他の選択肢が不適切な理由
「滲出液の量」「肉芽組織の状態」「創の大きさ」は、いずれもこの判定スケールを構成する項目そのものである。滲出液の量は感染や治りにくさの手がかりとなり、肉芽組織は傷が埋まっていく過程を映し、大きさは経過を比べるための基本の指標として点数化される。これらはすべて傷そのものを観察して評価する項目であり、含まれないものを選ぶという問いの趣旨からは外れる。
問54-1

褥瘡発生リスクを評価する「ブレーデンスケール」の評価項目として正しい組み合わせはどれか。

  • ①知覚の認知、湿潤、活動性、可動性、栄養状態、摩擦とずれ
  • ②体温、脈拍、血圧、呼吸数、意識レベル、尿量
  • ③認知機能、視力、聴力、嚥下機能、排泄機能、睡眠状態
  • ④筋力、関節可動域、バランス能力、歩行速度、握力、持久力
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正解 ①知覚の認知、湿潤、活動性、可動性、栄養状態、摩擦とずれ
解説
ブレーデンスケールは、知覚の認知・湿潤・活動性・可動性・栄養状態・摩擦とずれの6項目について点数化し、合計点が低いほど褥瘡発生リスクが高いと判定する国際的に広く用いられるアセスメントツールである。バイタルサインや認知機能全般、運動機能全般を直接評価するものではなく、褥瘡発生リスクに特化した項目構成になっている点を理解しておく。

他の選択肢が不適切な理由
「体温、脈拍、血圧、呼吸数、意識レベル、尿量」はバイタルサインと排泄量を並べたもので、全身の状態を見る指標ではあるが、皮膚に圧が加わる危険を評価するものではない。「認知機能、視力、聴力、嚥下機能、排泄機能、睡眠状態」は生活機能を幅広く見る項目であり、「筋力、関節可動域、バランス能力、歩行速度、握力、持久力」は運動機能の評価項目である。いずれも褥瘡の要因である圧迫・湿潤・栄養・摩擦という観点に絞り込まれていない。
問64-1

自力での体位変換が困難な療養者に対する褥瘡予防の体位変換について、一般的な目安として適切なものはどれか。

  • ①少なくとも30分に1回は体位を変換する
  • ②少なくとも2時間に1回は体位を変換する
  • ③少なくとも6時間に1回は体位を変換する
  • ④少なくとも12時間に1回は体位を変換する
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正解 ②少なくとも2時間に1回は体位を変換する
解説
自力体位変換が困難な療養者に対しては、同一部位への持続的な圧迫を避けるため、一般に2時間を超えない間隔での体位変換が目安とされる。ただし、体圧分散マットレスの性能や皮膚状態、個々の状態によって間隔は調整され、日常生活動作の自立度や骨突出の程度に応じて頻度を増やす必要がある場合もある。画一的に間隔を固定せず観察に基づき判断することが重要である。

他の選択肢が不適切な理由
「30分に1回」とする記述は、目安として示されている間隔より大幅に短く、本人の睡眠を頻繁に妨げるうえ、介護する側も続けられない。「6時間に1回」「12時間に1回」とする記述は逆に間隔が長すぎ、同じ場所に圧迫が加わり続ける時間が延びるため、その間に皮膚とその下の組織の血流が途絶えて褥瘡が生じる。体圧を分散するマットレスを用いる場合は間隔を延ばせることもあるが、それは皮膚の状態を確かめたうえで判断すべきことである。
問74-1

胃ろうによる経管栄養を行っている療養者のケアに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①注入後は誤嚥防止のため速やかに仰臥位にして安静を保つよう説明する
  • ②胃ろう周囲の皮膚は感染予防のため消毒液で毎回強くこすり洗いするよう説明する
  • ③注入後30分から1時間程度は上半身を挙上した姿勢を保つよう説明する
  • ④栄養剤の注入速度は逆流予防のため可能な限り速く注入するよう説明する
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正解 ③注入後30分から1時間程度は上半身を挙上した姿勢を保つよう説明する
解説
胃ろうからの栄養剤注入後は、胃食道逆流や誤嚥性肺炎を防ぐため、上半身を挙上した半座位に近い姿勢を注入後もしばらく(目安30分〜1時間程度)保つことが推奨される。注入直後の仰臥位は逆流の危険を高めるため避ける。胃ろう周囲は清潔と観察が基本で強い消毒は皮膚障害の原因になり、注入速度は医師の指示に基づき緩やかに行う必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
「注入後は速やかに仰臥位にして安静を保つ」とする記述は、胃の中身が食道へ戻りやすい姿勢をとることになり、誤嚥性肺炎を招く恐れがあるため逆効果である。「消毒液で毎回強くこすり洗いする」とする記述も誤りで、強い刺激は皮膚を傷めてかえって感染の入り口をつくるため、ぬるま湯と石けんで洗って乾かし、観察するのが基本である。「可能な限り速く注入する」とする記述も誤りで、速く入れるほど胃が急に膨らみ、逆流や下痢を起こしやすくなる。
問84-1

在宅中心静脈栄養法(HPN)を実施している療養者の観察・管理として適切なものはどれか。

  • ①カテーテル挿入部の消毒や被覆材の交換は看護職に任せればよいと理解する
  • ②発熱がみられてもカテーテル由来の感染とは考えにくいと理解する
  • ③栄養剤や輸液の種類・投与速度は家族の判断で調整してよいと理解する
  • ④カテーテル挿入部の発赤や腫脹、発熱の有無を日常的に観察する必要がある
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正解 ④カテーテル挿入部の発赤や腫脹、発熱の有無を日常的に観察する必要がある
解説
在宅中心静脈栄養法(HPN)では、カテーテルを介した血流感染(カテーテル関連血流感染症)のリスク管理が特に重要であり、挿入部の発赤・腫脹・痛み・浸出液や、原因不明の発熱の有無を日常的に観察し異常時は速やかに医療機関へ連絡する体制が必要である。清潔操作(消毒・被覆材交換)は医療職が定期的に行い、輸液内容や速度の変更は医師の指示なく行ってはならない。

他の選択肢が不適切な理由
「消毒や被覆材の交換は看護職に任せればよい」とする記述は、清潔操作そのものを医療職が担う点は正しいものの、日々の観察まで任せてよいという意味では適切ではなく、異変に最初に気づくのは本人や家族、介護職である。「発熱がみられてもカテーテル由来の感染とは考えにくい」とする記述は誤りで、血管の中に長く管が入っている以上、原因のはっきりしない発熱はまずこの感染を疑うべき場面である。「輸液の種類や速度を家族の判断で調整してよい」とする記述も誤りで、血糖や電解質の急な変動を招く。
問94-1

在宅自己腹膜灌流(CAPD)を行っている療養者への支援として、最も適切なものはどれか。

  • ①排液の混濁や腹痛などの腹膜炎を疑う症状の早期発見に努める
  • ②透析液の交換手技は家族以外の誰にも共有せず本人のみで完結させる
  • ③体重や血圧の変化は透析効果と無関係なので確認は不要とする
  • ④カテーテル出口部は乾燥させず湿った状態を保つよう指導する
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正解 ①排液の混濁や腹痛などの腹膜炎を疑う症状の早期発見に努める
解説
CAPD(持続携行式腹膜透析)では、腹膜炎が重大な合併症であり、排液の混濁・浮遊物や腹痛、発熱などの徴候を早期に発見し医療機関へつなぐことが重要である。カテーテル出口部は清潔かつ乾燥した状態を保つ管理が基本であり、体重・血圧の変化は除水量や体液管理の指標として重要な観察項目である。手技や異常時対応は家族や関係者とも共有し孤立させない支援が望ましい。

他の選択肢が不適切な理由
「家族以外の誰にも共有せず本人のみで完結させる」とする記述は誤りで、体調を崩したときに代われる人がいないことは、そのまま治療の中断につながる。「体重や血圧の変化は透析効果と無関係」とする記述も誤りで、体にどれだけ水分が残っているかを最も手軽に映す指標であり、増えていれば除水が足りていない可能性を示す。「カテーテル出口部は乾燥させず湿った状態を保つ」とする記述は向きが逆で、湿った状態は細菌が増える条件となり、腹膜炎の入り口になる。
問104-1

在宅で人工呼吸療法(在宅人工呼吸器)を使用している療養者への支援に関する記述として最も適切なものはどれか。

  • ①停電時に備えた予備電源(バッテリー)の確保は不要であると説明する
  • ②停電や機器の異常に備え、緊急連絡体制と予備電源の確保が不可欠と説明する
  • ③気管カニューレの管理は医療職の関与なく家族のみで完結させるべきと説明する
  • ④回路の加湿は感染対策とは無関係であり、外して使用するべきと説明する
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正解 ②停電や機器の異常に備え、緊急連絡体制と予備電源の確保が不可欠と説明する
解説
在宅人工呼吸療法では生命維持に直結する機器を扱うため、停電や機器故障といった緊急事態に備えた予備電源の確保と、医療機関・訪問看護等への迅速な連絡体制の整備がケアマネジメント上も極めて重要である。気管カニューレの管理は医療職による定期的な評価・指導のもとで行われる必要があり、回路の加湿は感染対策ではなく気道粘膜保護のために適切に用いられる。

他の選択肢が不適切な理由
「予備電源の確保は不要」とする記述は、停電がそのまま呼吸の停止に直結しうるという事実を見落としており、災害時に備えて電力会社への事前登録や避難先の確認まで含めた備えが求められる。「気管カニューレの管理は医療職の関与なく家族のみで完結させるべき」とする記述も誤りで、交換や状態の評価は医師や看護師が担い、家族が行う吸引等も指導と定期的な確認のもとで行われる。「回路の加湿は感染対策とは無関係であり、外して使用するべき」とする記述も誤りで、加湿を欠くと気道の粘膜が乾いて痰が硬くなり、詰まりを招く。

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