2026年版・10-4

基礎-4 民法改正で押さえる基本ルールの一問一答

ビジネス実務法務検定試験®2級「最初に覚える土台知識」から、基礎-4 民法改正で押さえる基本ルールに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全590問)
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問110-4

引き渡された物が契約の内容に合わないとき、買主が求められることはどれか。

  • ①追完、代金の減額、賠償、解除
  • ②追完だけで代金減額はできない
  • ③解除だけで賠償は請求できない
  • ④売主に過失があるときだけ追完
答えと解説を見る
正解 ①追完、代金の減額、賠償、解除
解説
引き渡された目的物が、種類・品質・数量について契約の内容に合っていないとき、買主には四つの手段があります。

まず履行の追完請求として、修理・代わりの物の引渡し・不足分の引渡しを求められます(民法五六二条)。追完がされないときは代金の減額を請求でき(同法五六三条)、さらに債務不履行の一般の規定により損害賠償の請求と契約の解除もできます(同法五六四条)。

令和二年施行の改正前は瑕疵担保責任と呼ばれ、隠れた欠陥がある場合に解除と損害賠償ができるだけでした。改正によって、修理を求めたり代金を減らしたりという、実際の場面に合った手段が明文で用意されたことになります。

売主に落ち度がなくても追完や減額は請求できますが、損害賠償だけは売主に責めるべき事情が必要です。この違いも押さえておきましょう。
他の選択肢について

・追完だけで代金減額はできない:一定の要件のもとで減額を請求できます。
・解除だけで賠償は請求できない:解除と損害賠償は両立します。
・売主に過失があるときだけ追完:過失がなくても追完を請求できます。
問210-4

種類や品質の契約不適合について、買主はいつまでに売主へ通知するか。

  • ①引渡しを受けた時から一年
  • ②不適合を知った時から一年
  • ③不適合を知った時から三月
  • ④契約をした時から一年
答えと解説を見る
正解 ②不適合を知った時から一年
解説
種類または品質に関する契約不適合については、買主がその不適合を知った時から一年以内に売主へ通知しなければ、原則として追完請求・代金減額請求・損害賠償請求・解除ができなくなります(民法五六六条)。

押さえるべき点が二つあります。一つは、起算点が「引渡しの時」ではなく「不適合を知った時」であること。もう一つは、求められているのが「通知」であって「訴えの提起」ではないことです。

改正前は一年以内に具体的な請求の内容まで示す必要があるとされ、買主に重い負担がかかっていました。改正法は、不適合があった旨をおおよそ伝えれば足りるとして、負担を軽くしています。

なお、売主が不適合を知っていた場合や、重い過失で知らなかった場合には、この期間の制限は適用されません。また数量の不足については、この規定は適用されず、通常の消滅時効によります。
他の選択肢について

・引渡しを受けた時から一年:起算点は知った時です。
・不適合を知った時から三月:期間は一年です。
・契約をした時から一年:契約の日は起算点になりません。
問310-4

民法が定める法定利率の出発点となる割合はどれか。

  • ①年六パーセント
  • ②年五パーセント
  • ③年三パーセント
  • ④年一パーセント
答えと解説を見る
正解 ③年三パーセント
解説
法定利率は年三パーセントから出発し、三年を一期として、法務省令で定める基準割合に応じて変動します(民法四〇四条)。当事者が利率を決めていない場合の利息や、支払が遅れたときの遅延損害金を計算するときに使われます。

改正前は、民事が年五パーセント、商事が年六パーセントの固定でした。しかし長く続いた低金利のもとでは市場の実際とかけ離れ、支払が遅れた側に重すぎる負担がかかっていました。そこで実際の金利に合わせて動く仕組みに改められ、商事法定利率は廃止されて一本化されました。

変動制といっても、毎年変わるわけではありません。三年ごとに見直し、基準割合が一定以上動いたときにだけ改定されます。適用される利率は、利息が生じた最初の時点のものに固定されるため、途中で変わることはありません。
他の選択肢について

・年五パーセント:改正前の民事法定利率です。
・年六パーセント:改正前の商事法定利率で、現在は廃止されています。
・年一パーセント:出発点として定められた割合ではありません。
問410-4

錯誤(勘違い)による意思表示は、民法上どのように扱われるか。

  • ①裁判所の判断で無効になる
  • ②初めから無効である
  • ③常に有効で争えない
  • ④取り消すことができる
答えと解説を見る
正解 ④取り消すことができる
解説
錯誤による意思表示は、その勘違いが法律行為の目的や取引上の常識に照らして重要なものであるときに、取り消すことができます(民法九五条一項)。

令和二年施行の改正前は「無効」とされていました。しかし無効だと、誰からでも、いつまでも主張できてしまい、勘違いをした本人以外の第三者が取引を蒸し返す余地が残ります。錯誤は思い違いをした本人を守るための制度なのだから、詐欺や強迫と同じく本人の判断で取り消せる形にそろえるのが筋だ、として改められました。

ただし、勘違いをした本人に重大な過失があるときは、原則として取り消せません。うかつすぎる人まで守る必要はないからです。また、取消しは善意でかつ過失のない第三者には対抗できません。
他の選択肢について

・初めから無効である:改正前の扱いであり、現在は取消しです。
・常に有効で争えない:要件を満たせば取り消せます。
・裁判所の判断で無効になる:裁判を経なくても取消しの意思表示で足ります。
問510-4

債務不履行を理由に契約を解除するとき、債務者の故意や過失は必要か。

  • ①必要とされない
  • ②必ず必要である
  • ③故意のときだけ必要
  • ④重い過失だけ必要
答えと解説を見る
正解 ①必要とされない
解説
契約の解除に、債務者の帰責事由(故意や過失)は必要ありません。催告をして相当の期間内に履行がないなど、法律が定める要件を満たせば解除できます(民法五四一条・五四二条)。

これは、解除という制度の位置づけが改まったためです。かつては解除を、約束を破った債務者に対する制裁ととらえていたため、責められるべき事情が必要だと考えられていました。令和二年施行の改正法は、解除を「もう履行が期待できない契約から債権者を解放するための手段」と位置づけ直しました。相手に落ち度がなくても、履行されない以上、その契約に縛られ続ける理由はないからです。

ただし、債権者の側に責めるべき事情があるときは解除できません(同法五四三条)。また、不履行が軽いものにとどまるときも解除は認められません。

なお、損害賠償を請求するには、債務者に責めるべき事情が必要です。解除とは要件が違います。
他の選択肢について

・必ず必要である:改正前の考え方であり、現在は要件ではありません。
・故意のときだけ必要:故意の有無は要件になりません。
・重い過失だけ必要:過失の程度も要件ではありません。
問610-4

双方に落ち度なく建物が焼失したとき、買主は代金の支払をどうできるか。

  • ①拒むことはできない
  • ②拒むことができる
  • ③半額だけ拒める
  • ④利息だけ拒める
答えと解説を見る
正解 ②拒むことができる
解説
当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務の履行ができなくなったときは、債権者は反対給付の履行を拒むことができます(民法五三六条一項)。建物の売買で、引渡しの前に落雷でその建物が焼失した場合、買主は代金の支払を拒めます。

改正前は、特定物(この一軒、この絵画というように、個性に着目して特定された物のこと)の売買について債権者主義がとられ、買主が代金を払わなければならないとされていました。まだ引渡しも受けていない、手にすることもできない物の代金を払わされるのは、常識に反するという批判が強く、改正で改められました。

実務では、危険が移る時期を契約で定めるのがふつうです。目的物が引き渡された後に、双方に落ち度なく滅失・損傷したときは、買主は追完や減額を求められず、代金の支払も拒めません(同法五六七条一項)。引渡しが分かれ目になります。
他の選択肢について

・拒むことはできない:改正前の債権者主義の考え方です。
・半額だけ拒める:そのような割合の定めはありません。
・利息だけ拒める:拒めるのは反対給付そのものです。
問710-4

契約はどの時点で成立するか。

  • ①目的物を引き渡した時
  • ②契約書に署名押印した時
  • ③申込みと承諾が合った時
  • ④代金を支払った時
答えと解説を見る
正解 ③申込みと承諾が合った時
解説
契約は、申込みという意思表示に対して、相手方が承諾したときに成立します(民法五二二条一項)。同条二項は、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を必要としないことをはっきり定めています。これを諾成契約の原則といいます。

「この機械を百万円で買います」「売ります」というやり取りが成立すれば、その瞬間に売買契約は成立しています。電話でもメールでも同じです。

ではなぜ実務では契約書を作るのでしょうか。理由は二つあります。一つは、後で「言った・言わない」の争いになったとき、合意の内容を示す証拠になるからです。もう一つは、条件を書き出す過程で、双方の理解の食い違いに気づけるからです。

ただし、保証契約のように書面でしなければ効力を生じない契約もあります。原則と例外を分けて覚えましょう。
他の選択肢について

・契約書に署名押印した時:書面は原則として成立の要件ではありません。
・目的物を引き渡した時:引渡しは成立後に果たす義務です。
・代金を支払った時:支払も成立後に果たす義務です。
問810-4

配偶者居住権とはどのような権利か。

  • ①建物を自由に売り渡せる権利
  • ②建物の所有権を必ず取得できる
  • ③他の相続人の持分を買い取れる
  • ④住んでいた建物に無償で住める
答えと解説を見る
正解 ④住んでいた建物に無償で住める
解説
配偶者居住権は、相続が始まった時に亡くなった人が所有していた建物に住んでいた配偶者が、遺産分割や遺贈などによって取得し、原則として生涯その建物を無償で使い続けられる権利です(民法一〇二八条)。令和二年四月施行の相続法の改正で新しく設けられました。

ねらいは、住まいと生活資金の両立にあります。たとえば相続財産が自宅二千万円と預貯金二千万円で、配偶者と子が二分の一ずつ相続する場合、配偶者が自宅の所有権を取ると預貯金がほとんど残らず、住む場所はあっても暮らしていけません。

そこで、所有権より低く評価される住む権利だけを取得できるようにしました。たとえば居住権を一千万円と評価できれば、残る一千万円を預貯金で受け取れます。

この権利は譲渡できず、登記をすれば第三者にも主張できます。
他の選択肢について

・建物の所有権を必ず取得できる:取得するのは住む権利であって所有権ではありません。
・他の相続人の持分を買い取れる:買取りを認める制度ではありません。
・建物を自由に売り渡せる権利:譲渡することはできません。
問910-4

自筆証書遺言に添える財産目録について、正しいものはどれか。

  • ①パソコンで作成してもよい
  • ②全文を手書きする必要がある
  • ③公証人の認証が必要になる
  • ④添えること自体が認められない
答えと解説を見る
正解 ①パソコンで作成してもよい
解説
自筆証書にこれと一体のものとして相続財産の目録を添える場合、その目録については自書することを要しません(民法九六八条二項)。パソコンで作成した一覧表のほか、不動産の登記事項証明書や預金通帳の写しを添えることもできます。二〇一九年一月施行の改正によるものです。

それまでは全文を手書きしなければならず、不動産や預貯金が多い人ほど作成の負担が重く、書き間違いによって無効になる危険もありました。

ただし偽造を防ぐため、目録の各ページに署名し、印を押す必要があります。両面に記載があるときは両面それぞれに必要です。

なお、目録以外の本文、日付、氏名は、これまでどおりすべて手書きでなければなりません。緩和されたのは目録の部分だけだ、という点を取り違えないようにしましょう。法務局に保管してもらう制度も併せて設けられています。
他の選択肢について

・全文を手書きする必要がある:目録については自書が不要になりました。
・公証人の認証が必要になる:自筆証書遺言に認証は必要ありません。
・添えること自体が認められない:目録を添えることは認められています。
問1010-4

遺留分を侵害されたとき、権利者は何を請求できるか。

  • ①贈与された不動産の現物返還
  • ②侵害額に相当する金銭の支払
  • ③遺言全体を無効とすること
  • ④相続人としての地位の回復
答えと解説を見る
正解 ②侵害額に相当する金銭の支払
解説
遺留分を持つ相続人は、遺贈や贈与を受けた人に対し、遺留分の侵害額に相当する金銭の支払を請求できます(民法一〇四六条一項)。二〇一九年七月施行の改正で、権利の性質が金銭を求める債権に改められました。

遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に最低限保障された取り分のことです(同法一〇四二条一項)。遺言で財産のすべてを他人に譲るとされても、配偶者や子は一定の割合を確保できます。

改正前は遺留分減殺請求といい、行使すると贈与や遺贈の効力が一部失われ、目的物が当然に共有の状態になっていました。事業用の不動産や自社株が共有になると、後継者が単独で意思決定できなくなり、事業の承継が滞るという問題がありました。

金銭の請求に改めたことで、財産そのものは受け取った人に残り、精算はお金で行われるようになりました。
他の選択肢について

・贈与された不動産の現物返還:改正前の扱いで、現在は金銭の請求です。
・遺言全体を無効とすること:遺言が無効になるわけではありません。
・相続人としての地位の回復:地位を争う手続とは別のものです。

ビジネス実務法務検定試験®は東京商工会議所の登録商標です。本ページは東京商工会議所および各地商工会議所とは一切関係ありません。

ビジネス実務法務検定試験®2級の対策問題(全590問)に戻る

※本ページでは、アクセス解析(Googleアナリティクス)と、広告の配信・成果の計測(A8.net)のためにCookie等を利用し、閲覧に関する情報をGoogle LLC・株式会社ファンコミュニケーションズへ送信しています。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

【PR】