2026年版・10-2

基礎-2 債権回収と担保の全体像の一問一答

ビジネス実務法務検定試験®2級「最初に覚える土台知識」から、基礎-2 債権回収と担保の全体像に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問110-2

お金を貸した人が持つ、返してもらう権利を何と呼ぶか。

  • ①債権
  • ②債務
  • ③担保
  • ④保証
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正解 ①債権
解説
債権とは、ある人が別の人に対して「これをしてください」と請求できる権利です。お金を貸した人が持つ「返してください」という権利が、その代表です。請求できる側を債権者、請求される側を債務者と呼びます。

裏返しの関係にあるのが債務です。債務は「これをしなければならない」という義務のことで、借りた人が負う「返さなければならない」という立場を指します。同じ一つの関係を、権利の側から見れば債権、義務の側から見れば債務になります。

売買であれば、売主は代金を請求する債権を持ち、目的物を引き渡す債務を負います。買主はその逆です。一つの契約から、双方に債権と債務が生まれるという見方ができると、この分野の理解が一気に進みます。

債権は、相手が約束を守ってくれなければ意味がありません。そこで、回収を確かなものにするために担保や保証といった仕組みが用意されています。
他の選択肢について

・債務:請求される側が負う義務であり、権利ではありません。
・担保:債権の回収を確かにするための手当てを指す言葉です。
・保証:他人の債務を肩代わりする約束で、担保の一種です。
問210-2

抵当権を設定した不動産は、その後どうなるか。

  • ①債権者に引き渡す必要がある
  • ②所有者が使い続けられる
  • ③誰も使えない状態になる
  • ④裁判所が管理することになる
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正解 ②所有者が使い続けられる
解説
抵当権は、目的物の占有を設定者(担保を差し出す人、ふつうは借りる側)のもとに残したまま設定できる担保です。不動産に設定した場合は、登記が第三者への対抗要件になります(民法三六九条一項、一七七条)。

住宅ローンを思い浮かべると分かりやすいところです。銀行は買った家に抵当権を設定しますが、家を取り上げるわけではなく、借りた人はその家に住み続けられます。事業用の工場や店舗でも同じで、営業を続けながら資金を調達できます。

これが質権との決定的な違いです。質権では、目的物を債権者に引き渡さなければ効力が生じません(同法三四四条)。質屋に品物を預ける姿を思い出すと区別しやすいでしょう。

また、同じ不動産に順位をつけて複数の抵当権を設定でき、順位は登記の前後で決まります(同法三七三条)。競売になったとき、順位の早い者から優先して回収します。
他の選択肢について

・債権者に引き渡す必要がある:それは質権の仕組みです。
・誰も使えない状態になる:設定しても使用や収益は続けられます。
・裁判所が管理することになる:設定だけでそのような扱いにはなりません。
問310-2

保証契約が効力を生じるために必要なものはどれか。

  • ①主債務者の書面の同意
  • ②公証人が作成した公正証書
  • ③書面または電磁的記録
  • ④口頭での明確な約束
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正解 ③書面または電磁的記録
解説
保証契約は書面でしなければ効力を生じません。電磁的記録(電子メールや電子契約システムの記録のこと)によってされたときは、書面によってされたものとみなされます(民法四四六条二項・三項)。

この形式のしばりは、保証人を守るために置かれています。保証は、自分は一円も利益を得ないのに、他人の借金を背負う可能性がある契約です。頼まれてその場の雰囲気で「分かった」と口約束してしまう危険が大きいため、書面という形を求めることで、本当に責任を負う覚悟があるのかを立ち止まって確かめさせているのです。

さらに、事業のための貸金債務を個人が保証する場合には、原則として公正証書で保証意思を確認する手続が必要とされています(同法四六五条の六)。経営に関わっていない親族や友人が、内容をよく分からないまま巨額の保証をしてしまう事態を防ぐためのものです。
他の選択肢について

・公証人が作成した公正証書:通常の保証契約では求められていません。
・主債務者の書面の同意:保証は債権者と保証人の間の契約です。
・口頭での明確な約束:口頭では効力を生じません。
問410-2

連帯保証人が債権者から支払を求められたとき、どうなるか。

  • ①主債務者が破産した時だけ支払う
  • ②まず主債務者へ請求させられる
  • ③保証した額の半分だけ支払う
  • ④先に支払を求められても拒めない
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正解 ④先に支払を求められても拒めない
解説
連帯保証人には、催告の抗弁権も検索の抗弁権もありません(民法四五四条)。そのため、債権者がいきなり連帯保証人に請求してきても、支払を拒むことができません。

ふつうの保証人であれば二つの言い分が使えます。一つは催告の抗弁権で、「まず主債務者に請求してください」と言えるものです。もう一つは検索の抗弁権で、「主債務者に財産があるので、先にそちらから取り立ててください」と言えるものです。連帯保証では、この二つがどちらも失われます。

加えて、ふつうの保証人が複数いる場合は頭数で分けた額だけ負担すれば足りますが(分別の利益)、連帯保証人にはこれもありません。一人で全額を負うことになります。

実務で使われる保証のほとんどが連帯保証です。名前は似ていても負担の重さがまるで違う、と覚えておきましょう。
他の選択肢について

・まず主債務者へ請求させられる:催告の抗弁権はありません。
・保証した額の半分だけ支払う:分別の利益がなく、全額を負います。
・主債務者が破産した時だけ支払う:破産を待つ必要はありません。
問510-2

保証人が個人である根保証契約について、正しいものはどれか。

  • ①極度額を定めないと効力がない
  • ②極度額は債権者が自由に決める
  • ③口頭の約束でも効力が生じる
  • ④保証する期間に制限はない
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正解 ①極度額を定めないと効力がない
解説
保証人が個人である根保証契約は、極度額(保証する上限の額)を定めなければ効力を生じません(民法四六五条の二第二項)。極度額は当事者の合意で定めるもので、債権者が一方的に決められるものではありません。

根保証とは、一定の範囲に属する不特定の債務をまとめて保証する契約です。継続的な取引から生まれる代金の債務や、賃貸借契約から生じる一切の債務などが対象になります。

上限を決めずにこれを引き受けると、保証人は自分がいくら背負うことになるのか分からないまま、際限のない責任を負いかねません。実際に、想定をはるかに超える請求を受けて生活が行き詰まる例が相次いだため、令和二年施行の改正で、個人が保証人になる場合には極度額を定めることが必要とされました。

なお、保証契約である以上、書面によらなければ効力を生じない点も同じです。
他の選択肢について

・極度額は債権者が自由に決める:当事者の合意で定めるものです。
・口頭の約束でも効力が生じる:保証契約は書面が必要です。
・保証する期間に制限はない:元本確定期日などの制限があります。
問610-2

債権の消滅時効は、権利を行使できることを知った時から何年か。

  • ①三年
  • ②五年
  • ③十年
  • ④二十年
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正解 ②五年
解説
債権は、債権者が権利を行使できることを知った時から五年間、または権利を行使できる時から十年間行使しないときに、時効によって消滅します(民法一六六条一項)。どちらか早く満了したほうで時効が完成します。

この「五年と十年」という組み合わせは、令和二年施行の改正で導入されました。それ以前は、民事の債権は十年、商事の債権は五年、さらに飲食代は一年、弁護士の報酬は二年といった職業ごとの短い時効が入り乱れ、どれが当てはまるかで争いが絶えませんでした。改正はこれらをすべて廃止し、二本立てに整理したのです。

時効という仕組みがあるのは、長い年月が過ぎると証拠が失われ、支払ったかどうかを確かめようがなくなるためです。実務では、取引先への請求を五年以内に行うという意識を持つことが大切になります。
他の選択肢について

・三年:改正前の短期消滅時効にあった年数で、現在の原則ではありません。
・十年:権利を行使できる時から数える場合の期間です。
・二十年:不法行為の一部などに用いられる期間です。
問710-2

裁判上の請求をすると、消滅時効はどうなるか。

  • ①まったく影響がない
  • ②ただちに完成する
  • ③完成が猶予される
  • ④期間が半分になる
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正解 ③完成が猶予される
解説
裁判上の請求があると、その手続が終わるまで時効の完成が猶予され、確定判決などによって権利が確定した時に時効が更新されて、新たにゼロから進行を始めます(民法一四七条)。

言葉の意味を押さえましょう。完成猶予は、時効が完成するのを先送りにするだけのものです。更新は、それまで積み上がった期間をいったんリセットして、また初めから数え直すものです。改正前は「停止」「中断」と呼ばれていましたが、中断という言葉が一時停止と誤解されやすかったため、実際の効果に合わせて呼び名が改められました。

実務でよく使う手段が催告です。内容証明郵便などで支払を求めると、その時から六か月間は時効の完成が猶予されます。ただし猶予されるだけで更新はされないため、その間に訴えを起こすなどの手を打つ必要があります。
他の選択肢について

・ただちに完成する:請求によって時効が完成することはありません。
・まったく影響がない:完成猶予という効果が生じます。
・期間が半分になる:そのような制度はありません。
問810-2

相殺ができるのは、どのような場合か。

  • ①二つの債権の額が同じとき
  • ②相手方の同意を得られたとき
  • ③裁判所の許可を受けたとき
  • ④互いに同じ種類の債権を持つ
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正解 ④互いに同じ種類の債権を持つ
解説
相殺とは、互いに同じ種類の債権を持ち合っているとき、その分を打ち消し合って決済することです(民法五〇五条一項)。百万円の売掛金と八十万円の買掛金があれば、差額の二十万円だけをやり取りすれば済みます。実際にお金を送り合う手間が省けるうえ、相手が倒産しても自分の債務の分だけは確実に回収できるという、担保のような働きもあります。

相殺をするには、原則として双方の債務が弁済期にあることが必要です。ただし受働債権(自分が負っている側の債務)の期限は、支払う自分のために定められたものなので、「期限まで待たなくてよい」と放棄すれば、まだ支払日が来ていなくても相殺できます。

相手の同意も裁判所の許可も要りません。一方的な意思表示だけで効力が生じます(同法五〇六条一項)。
他の選択肢について

・相手方の同意を得られたとき:同意がなくても相殺できます。
・裁判所の許可を受けたとき:許可は必要ありません。
・二つの債権の額が同じとき:額が違っても、重なる部分で相殺できます。
問910-2

相手の財産を差し押さえるために、まず必要となるものはどれか。

  • ①債務名義
  • ②内容証明郵便
  • ③請求書
  • ④契約書
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正解 ①債務名義
解説
相手が支払ってくれないからといって、自分の力で財産を取り上げることはできません。国の手続を通じて強制的に取り立てることを強制執行といい、そのために必要になるのが債務名義です(民事執行法二二条)。

債務名義とは、請求できる権利の中身と当事者が公に示された文書のことです。確定判決、仮執行宣言付きの判決、和解調書、調停調書、そして強制執行を受け入れる旨を書いた執行証書(公正証書)などがこれにあたります。

つまり、契約書や請求書をどれだけ積み上げても、それだけでは差押えはできません。まず訴訟や調停で債務名義を得るか、契約の段階で公正証書を作っておく必要があります。取引先の支払が滞りがちな場合に、あらかじめ公正証書にしておくのは、この段階を省くための備えです。
他の選択肢について

・内容証明郵便:送った事実を証明するだけで、執行の根拠にはなりません。
・請求書:自分で作る書類であり、債務名義にはなりません。
・契約書:公正証書でない限り、そのままでは執行できません。
問1010-2

仮差押えは何のために行う手続か。

  • ①判決の後に代金を取り立てるため
  • ②判決の前に相手の財産を守るため
  • ③相手の財産の内容を調べるため
  • ④相手に支払を促して催告するため
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正解 ②判決の前に相手の財産を守るため
解説
裁判で勝つまでには、時間がかかります。その間に相手が不動産を売り払ったり、預金を引き出したりしてしまえば、せっかく勝訴しても回収できません。これを防ぐために、判決が出る前にあらかじめ相手の財産を押さえて動かせなくしておく手続が仮差押えです(民事保全法二〇条一項)。

金銭の支払を求める債権を守るための制度なので、対象になるのは不動産、預金債権、売掛金債権などです。手続は、相手に知られないよう非公開・迅速に進められます。事前に知られてしまえば、先に財産を隠されてしまうからです。

その代わり、申し立てる側は担保として一定の金銭を供託するのがふつうです。判断が誤っていた場合に、相手が受ける損害を埋め合わせるためです。

仮差押えはあくまで暫定の措置で、実際に取り立てるには、その後に訴訟を起こして債務名義を得る必要があります。
他の選択肢について

・判決の後に代金を取り立てるため:それは強制執行の役割です。
・相手の財産の内容を調べるため:調査を目的とする手続ではありません。
・相手に支払を促して催告するため:催告とは別の制度です。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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