2026年版・10-1

基礎-1 会社法の骨格と機関設計の一問一答

ビジネス実務法務検定試験®2級「最初に覚える土台知識」から、基礎-1 会社法の骨格と機関設計に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問110-1

株式会社の「株主」とはどのような立場の人か。

  • ①会社に出資し、持分を持つ人
  • ②会社にお金を貸し付けている人
  • ③会社に雇われて働く人
  • ④会社の経営を任された人
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正解 ①会社に出資し、持分を持つ人
解説
株主とは、株式会社にお金などを出資し、その見返りに株式を受け取った人です。株式は会社の持分、つまり会社を少しずつ分け合って持っている割合を表します。会社法を学ぶうえで、まずこの立場をはっきりさせておくことが出発点になります。

混同しやすい四つの立場を並べておきましょう。株主は会社に出資した人、債権者は会社にお金を貸した人、従業員は会社に雇われて働く人、取締役は会社の経営を任された人です。株主と債権者はどちらも会社にお金を渡していますが、貸したお金は返してもらえるのに対し、出資したお金は返還されません。その代わり株主は、利益が出れば配当を受け取り、株主総会で議決権を行使できます。

また、株主と取締役は別の立場です。大きな会社では株主が何万人もいて、経営はごく一部の取締役が担います。この所有と経営の分離が、株式会社の大きな特徴です。
他の選択肢について

・会社にお金を貸し付けている人:これは債権者であり、株主ではありません。
・会社に雇われて働く人:従業員であり、出資者ではありません。
・会社の経営を任された人:取締役の立場の説明です。
問210-1

会社が倒産したとき、株主はどこまで責任を負うか。

  • ①会社の借金を全額負担する
  • ②出資した額を失うにとどまる
  • ③借金を持株数で分けて負担する
  • ④取締役と連帯して責任を負う
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正解 ②出資した額を失うにとどまる
解説
株主が負う責任は、その持っている株式の引受価額を限度とすると定められています(会社法一〇四条)。これを株主有限責任の原則といいます。会社が倒産して借金が残っても、株主が自分の財産から返す必要はなく、出資したお金が返ってこないという形で損をするにとどまります。

この仕組みがあるからこそ、多くの人が安心して会社にお金を出せます。もし会社の借金を無限に背負う危険があるなら、誰も見知らぬ会社の株を買おうとはしないでしょう。株式会社が大きな資金を集められるのは、この原則のおかげです。

その裏返しとして、会社債権者は会社の財産からしか回収できません。そこで会社法は、配当できる金額に制限を設けるなど、会社の財産を不当に流出させない決まりを置いて、債権者を守っています。
他の選択肢について

・会社の借金を全額負担する:無限責任となり、有限責任の原則に反します。
・借金を持株数で分けて負担する:株主が会社の債務を分担する制度はありません。
・取締役と連帯して責任を負う:株主が取締役と連帯する仕組みはありません。
問310-1

株式会社で、会社の重要なことを決めるために株主が集まる会議はどれか。

  • ①監査役会
  • ②取締役会
  • ③株主総会
  • ④債権者集会
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正解 ③株主総会
解説
株主総会は、株主が集まって会社の意思を決める最高の意思決定機関です。取締役や監査役を選んだり解任したり、定款を変更したり、会社を合併させたりといった、会社の土台に関わる事柄を決めます。

取締役会を置いていない会社では、株主総会は会社に関する一切の事項を決議できます。取締役会を置く会社では、日々の経営判断は取締役会に任せ、株主総会は会社法と定款が定めた事項だけを決めます(会社法二九五条)。株主の数が多い会社ほど、いちいち全員で集まって決めるのは現実的ではないからです。

決議には重さの段階があります。普通決議は出席した株主の議決権の過半数で決まり、定款の変更など重要なものは特別決議として、出席株主の議決権の三分の二以上が必要です。
他の選択肢について

・取締役会:取締役が集まって業務執行を決める機関で、株主の会議ではありません。
・監査役会:監査役で構成され、監査の方針などを決める機関です。
・債権者集会:倒産手続などで債権者が集まるもので、会社の機関ではありません。
問410-1

取締役会を置いている株式会社の取締役は、何人以上必要か。

  • ①十人以上
  • ②一人以上
  • ③五人以上
  • ④三人以上
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正解 ④三人以上
解説
取締役会設置会社では、取締役は三人以上でなければなりません(会社法三三一条五項)。取締役会は多数決で意思を決める合議体なので、二人では賛否が分かれたときに決められず、機関として成り立たないためです。

混同しやすいのが、取締役会を置かない会社の場合です。こちらは取締役が一人でも構わず、その一人が当然に会社を代表します。中小企業に一人取締役の会社が多いのはこのためです。「取締役会があるなら三人以上、なければ一人でよい」とひとまとまりで覚えてください。

なお監査役会を置く場合は、監査役が三人以上で、その半数以上が社外監査役でなければなりません(同法三三五条三項)。似た数字が並ぶので、どの機関の話なのかを区別することが大切です。
他の選択肢について

・一人以上:取締役会を置かない会社であれば一人でも構いません。
・五人以上:会社法にこのような人数の定めはありません。
・十人以上:これも法律上の要件ではありません。
問510-1

取締役と監査役の任期の上限について、正しいものはどれか。

  • ①取締役は二年、監査役は四年
  • ②取締役は四年、監査役は二年
  • ③どちらも原則二年
  • ④どちらも原則十年
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正解 ①取締役は二年、監査役は四年
解説
取締役の任期は、原則として選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです(会社法三三二条一項)。監査役はこれが四年になります(同法三三六条一項)。

なぜ監査役のほうが長いのでしょうか。監査役は取締役の仕事をチェックする立場だからです。任期が短いと「厳しく監査すれば、次は選んでもらえないかもしれない」という圧力が働き、経営陣から離れた立場での監査ができなくなります。そこで任期を長くして、地位を安定させています。

監査役の解任には株主総会の特別決議が必要とされ、正当な理由なく解任された監査役は会社に損害賠償を請求できる(会社法三三九条)のも同じ趣旨です。取締役は交代しやすく、監査役は交代しにくいという差が、意識してつけられているのだと理解しておきましょう。
他の選択肢について

・取締役は四年、監査役は二年:年数が入れ替わっています。
・どちらも原則二年:監査役は四年です。
・どちらも原則十年:非公開会社で延ばせる上限であり、原則ではありません。
問610-1

株式会社の取締役はどのような役割を担うか。

  • ①株主に代わって配当を受け取る
  • ②会社の業務を決め、経営を行う
  • ③会社の会計を外から監査する
  • ④会社に資金を貸し付ける
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正解 ②会社の業務を決め、経営を行う
解説
取締役は、会社の業務について判断し、実際に経営を行う役割を担います。取締役会を置かない会社では、取締役が自ら業務を執行し、会社を代表します。取締役会を置く会社では、取締役会が経営の方針や重要な財産の処分などを決め、代表取締役らが日々の業務を執行します。

取締役は株主総会で選ばれ、会社との関係は委任にあたります(会社法三三〇条)。そのため、善良な管理者としての注意をもって職務を行う義務(善管注意義務)と、会社のために忠実に職務を行う義務(忠実義務)を負います。これに反して会社に損害を与えれば、賠償の責任を負うこともあります。

また、自分や第三者のために会社と同じ事業を行う競業取引や、会社と自分との間で行う利益相反取引には、取締役会などの承認が必要です。立場を利用して会社の利益を損なうことを防ぐためです。
他の選択肢について

・株主に代わって配当を受け取る:配当は株主が直接受け取ります。
・会社の会計を外から監査する:会計監査人や監査役の役割です。
・会社に資金を貸し付ける:取締役の職務ではありません。
問710-1

会計監査人になることができるのはどれか。

  • ①弁護士または弁護士法人
  • ②税理士または税理士法人
  • ③公認会計士または監査法人
  • ④司法書士または司法書士法人
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正解 ③公認会計士または監査法人
解説
会計監査人になれるのは公認会計士または監査法人に限られます(会社法三三七条一項)。会計監査人は、会社が作った計算書類(貸借対照表や損益計算書などの決算の書類のこと)が会計のルールに従って正しく作られているかを、社外の専門家の立場から監査する機関だからです。

紛らわしいのが会計参与です。こちらは公認会計士・監査法人に加えて、税理士・税理士法人もなることができ(同法三三三条一項)、しかも役割は「監査」ではなく、取締役と一緒に計算書類を「作る」ことです。作る側が会計参与、チェックする側が会計監査人、と対にして覚えると混同しません。

なお大会社では、会計監査人を置くことが義務づけられています(同法三二八条)。規模が大きくなるほど、決算の誤りが多くの人に影響するためです。
他の選択肢について

・税理士または税理士法人:会計参与にはなれますが、会計監査人にはなれません。
・弁護士または弁護士法人:いずれの機関にもなることはできません。
・司法書士または司法書士法人:こちらも資格要件に含まれていません。
問810-1

会計参与の主な職務はどれか。

  • ①会社の財産を管理して処分する
  • ②取締役を監査して意見を述べる
  • ③株主総会を招集して議長を務める
  • ④取締役と共同して計算書類を作る
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正解 ④取締役と共同して計算書類を作る
解説
会計参与は、取締役と共同して計算書類やその附属明細書などを作成する機関です(会社法三七四条一項)。会計監査人と違い、会計の専門家が作成の段階から関わるところに特徴があります。会計参与になれるのは、公認会計士・監査法人・税理士・税理士法人に限られます(同法三三三条一項)。

この制度は、会計監査人を置くほどの規模ではない中小企業について、決算書類の信頼性を高めることをねらって、平成十七年に制定された会社法で新しく設けられました。決算書の信頼性が上がれば、金融機関から融資を受けやすくなるという実際上の利点もあります。

設置は任意で、置くかどうかは各社の判断に任されています。「会計参与は作る人、会計監査人はチェックする人、監査役は取締役を見張る人」と三つ並べて整理しておきましょう。
他の選択肢について

・取締役を監査して意見を述べる:監査役や会計監査人の役割です。
・株主総会を招集して議長を務める:招集は原則として取締役が行います。
・会社の財産を管理して処分する:業務執行であり、取締役の職務です。
問910-1

株式会社の監査役はどのような役割を担うか。

  • ①取締役の職務の執行を監査する
  • ②会社の日々の業務を自ら執行する
  • ③株主総会で議決権を行使する
  • ④会社を代表して契約を結ぶ
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正解 ①取締役の職務の執行を監査する
解説
監査役は、取締役の職務の執行を監査する機関です(会社法三八一条一項)。経営を担う取締役が、法令や定款に違反していないか、会社に損害を与えるような判断をしていないかを見張る役割を受け持ちます。

監査役には強い権限が与えられています。いつでも取締役や従業員に事業の報告を求め、会社の業務や財産の状況を調査できます。取締役が不正な行為をしようとしているときは、取締役会に報告し、会社に著しい損害が生じるおそれがあるときは、その行為をやめるよう請求することもできます。

監査には、会計が正しいかを見る会計監査と、業務が適法に行われているかを見る業務監査の二つがあります。非公開会社では、定款で監査の範囲を会計に限ることもできます。
他の選択肢について

・会社の日々の業務を自ら執行する:業務の執行は取締役の役割です。
・株主総会で議決権を行使する:議決権を持つのは株主です。
・会社を代表して契約を結ぶ:代表権を持つのは代表取締役です。
問1010-1

株式会社の代表取締役はどのような立場か。

  • ①株主を代表して総会で発言する
  • ②会社を代表して契約などを行う
  • ③従業員を代表して交渉に当たる
  • ④債権者を代表して債権を集める
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正解 ②会社を代表して契約などを行う
解説
代表取締役は、会社を代表して契約を結ぶなど、対外的な行為を行う権限を持つ取締役です。代表取締役がした契約の効果は、そのまま会社に生じます。取引先から見れば、会社を相手に契約しているのと同じことになります。

取締役会を置く会社では、取締役会が取締役の中から代表取締役を選定します(会社法三六二条二項三号)。株主総会が直接選ぶのではない点に注意しましょう。取締役会を置かない会社では、原則として取締役がそれぞれ会社を代表します。

代表取締役の権限は、会社の業務に関する一切の裁判上・裁判外の行為に及びます。社内で「一億円以上の契約は取締役会の承認が必要」といった制限を定めていても、その制限を知らない相手方には主張できません(同法三四九条五項)。取引の安全を守るためです。
他の選択肢について

・株主を代表して総会で発言する:株主の代表者ではありません。
・従業員を代表して交渉に当たる:労働組合などの役割であり、別のものです。
・債権者を代表して債権を集める:そのような立場ではありません。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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